さつまいも栽培の失敗を防ぐためのポイントと対策

さつまいもの栽培は比較的簡単にできるって聞いたけど…

さつまいもの栽培で失敗することはあるの?

どんな失敗事例があるの?

失敗しないようにするための対策方法はあるの?
という疑問やお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
私は野菜作りを始めてから、現在まで下記の3カ所の貸し農園を借りてきています。
- 2020〜2022年 シェア畑
- 2022〜2024年 市民農園
- 2024年〜 マイファーム
わが家の畑では毎年さつまいもの栽培をしています。
なぜか毎年なんらかの失敗をしてきています…(泣)
今まで失敗してきたことは…
- 種芋からなかなか芽が出ず、植え付け時に間に合わない状況になった…
- 大きなさつまいもの収穫ができなかった…
- 黒マルチをして植えたさつまいものツルが枯れてしまった…
さつまいもの栽培は比較的簡単で、初心者でも栽培しやすい野菜です。
失敗しないように対策すれば、さつまいもは簡単に栽培できます。
この記事では、一般的な失敗と私がしてきた失敗の実体験から『なぜ失敗したのか?』『どうすればうまくいくのか?』その解決方法について詳しく解説します。

秋の味覚のさつまいもの栽培を楽しみましょう!!
さつまいも
別名
カンショ
カライモ
リュウキュウイモ
分類
ヒルガオ科サツマイモ属
原産地
中央アメリカ
特徴
肥えていない畑でも栽培できる
比較的病害虫は少ない
さつまいもの栽培
生育温度
20〜35℃
栽培環境
高温性野菜
肥えた畑でも栽培可能
水はけのいい場所(高畝にする)
日当たりのいい場所
土作り
植え付けの1〜2週間前に作る
肥料は基本いれなくて可
さつまいもの種芋の消毒
さつまいものツルや苗は年々値段が上がってきているため、自分でさつまいものツルを作る方もいらっしゃると思います。
我が家でも、毎年さつまいもの消毒をして発芽を試みています。
さつまいもの種芋の消毒が必要な理由

さつまいもの種芋の消毒はなぜ必要なのですか?
さつまいもは『基腐病(もとぐされびょう)』などの病気が問題となっています。これらの病気の原因となる病原菌やウイルスの発生と拡大を防ぐために種芋の消毒が必要です。
さつまいもの種芋の消毒方法
さつまいもの種芋を48℃のお湯に40分程度浸して消毒します。

- 時間がかかる
- 種芋の消毒をしている間は、温度管理が必要
少し面倒くささがあるので、コストはかかりますが、消毒済みのさつまいものツルや苗を購入するのが一番効率がいいかもしれません…
※さつまいもはツルのものとポット苗で売っています。どちらも栽培してみましたが、さつまいもの収穫はできます。
ただし、たくさんのさつまいもを植えるのであればさつまいものツルを、少量でいいのであればポット苗のものを購入するといいでしょう。


上のポット苗の写真の園芸ラベルには、ウイルスフリーの文字があります。このような苗を選ぶと安心です。
ウイルスに感染していない苗のこと
さつまいもの収穫の判断
- 試し堀りする
- 葉が黄化したとき
- 晴天3日続いた頃
- 積算温度2200-2500℃が目安
わが家がさつまいもの栽培で失敗した実例と対策方法
失敗したこと
種芋からさつまいもの苗が育たなかった
原因
発芽・発育のための温度が足りなかった
考察
さつまいもを植える時期を考えて逆算して2月頃から室内で水耕栽培を始めましたが、やはり室内の温度管理が難しく発芽適温にならず、最終的に種芋がカビて干からびてしまった
対策
発芽適温:20〜25℃
生育適温:22から25℃
発芽適温・発育適温があるので、温度管理が必要

失敗したこと
種芋にカビが生えてきた
原因
通気性が悪かった
水の管理不足
考察
水の交換はしていたものの水がすぐ濁ってきて、カビが生えてしまった
対策
換気不足
水の管理不足
失敗したこと
黒マルチをした場所に植えたさつまいものツルが枯れた

上の写真はさつまいもの苗を植えたものです。さつまいものツルは黒マルチに接触していたため苗が枯れてしまいました…全部復活とまではいきませんでしたが、何本かは葉がでて復活しました。
原因
気温が上昇し、黒マルチが高温になりツルが枯れた
考察
貸し農園の場所が離れていて週1回しか通えず、その間に気温が高くなったため黒マルチが高温になり、黒マルチに接触していたさつまいものツルが枯れてしまった
対策
黒マルチにさつまいものツルが直接接触しないように、黒マルチの上にわら・枯れた草・土などを敷いてからさつまいものツルを植える
失敗したこと
小さい芋しか収穫できなかった
原因
植え付ける時期が遅かった
考察
種芋から発芽させようと試みていたため、植え付けの時期が遅れた
対策
植え付け時期を守る

振り返ってみれば、いろいろと失敗してきています…
一般的な失敗例と対策
土作りに失敗すると…
- 病害が発生する
原因
- 排水性が悪い
対策
- 高畝(20〜30cm)にして排水性を良くする
- 堆肥・腐葉土・砂などを混ぜて排水性を高める
水の管理に失敗すると…
- 成長不良
- 根腐れ
原因
- 過剰な水やり
- 水不足
対策
- 活着するまで:こまめな水やりが必要
- 植え付け後:土の表面が乾いたら水やりをする
- 収穫前:水やりを控える
肥料の管理に失敗すると…
- 根を傷める
- つるボケする(窒素過多になると葉やツルが成長し、芋が肥大しなくなる)
原因
- 肥料過多(特に窒素過多)
対策
- 元肥は控えめにする(リン酸とカリウムが多めで、窒素は控えめ)
- 腐葉土などの有機質の土作りをする
- 植え付けの2週間前までに土作りを完了させる
- 追肥は基本不要
植え付けに失敗すると…
- 芋が小さい
- 枯れてしまう
原因
- 植え付け時期が早すぎる(適温不足)
- 植え付け時期が遅すぎる(適温不足)
- つる返しをしなかった(余分な根が発生することにより、養分が分散されて大きな芋が育たない)
- 日当たりが悪い場所に植えた
対策
- 適切な時期に植え付けする(5-6月の地温が15℃以上になった時期)
- 栽培期間にあった品種を選ぶ
- つる返しをする(月に1〜2回は定期的につるを持ち上げて、余分な根の成長を抑制するために地面から離す)
- 1日6時間以上日が当たる場所に植え付けする
- 収穫時期を見極める(積算温度2200-2500℃が目安)
- 霜が降りるまでに収穫する
- 水平に植える(船底植え)
病害虫の被害に遭うと…
- 生育が悪くなる
- 収穫量が減る
原因
- ネコブセンチュウ
- つる割れ病 など
対策
- 葉の色や形・虫の有無を観察する
- 種芋の消毒
- 消毒済の苗を購入して植え付けする
- 土壌の消毒(太陽熱消毒など)
- 連作しない
- コンパニオンプランツを植える(マリーゴールドはネコブセンチュウの対策になる)
- 病害虫の早期発見・早期駆除
まとめ
この記事では、一般的な失敗例とわが家が実際に失敗した実例の原因とその対策を紹介しました。
さつまいもは植え付けが成功のカギになると思っています。植え付けさえ成功すれば、比較的管理しやすい野菜なので、初心者の方でも栽培しやすい野菜です。
この記事を参考に、甘くて美味しいさつまいもが収穫できるような栽培に挑戦してくださいね。
さつまいも栽培に限らず家庭菜園は失敗もありますが、成功するまでの過程も楽しむことができます。
大切なのは失敗から学んだことを次の栽培に生かすことです。

失敗しても諦めず、原因を究明・対策して家庭菜園を継続していきましょう!!
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