トマトの尻腐れの原因と対策
トマトの栽培をしていると、トマトの実のおしりの部分が黒くなっていると思って放置していたら、徐々に腐ってしまったという経験がある方もいるのではないでしょうか?

尻腐れってどんな状態になるの?

尻腐れは、病気ですか?

尻腐れになる原因はなにですか?

尻腐れにならないようにするための対策はありますか?
というお悩みや疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか
この現象は病気ではなく「尻腐れ」と言われる生理障害の一種で、原因を知り対策を行うことで予防できます。
病気ではないので、感染して広がることはありませんが、一度トマトのおしりが黒くなった実が復活しません。
私は野菜作りを始めてから、現在まで下記の3カ所の貸し農園を借りてきています。
- 2020〜2022年 シェア畑
- 2022〜2024年 市民農園
- 2024年〜 マイファーム
わが家の畑では、以前大玉トマトを栽培しているときに尻腐れがでたことがありましたが、2025年過酢酸カルシウムを定期的に葉面散布しているので、今のところ尻腐れはでていません。
この記事では。尻腐れがおこる原因と対策、予防について解説します。

この記事を参考に、トマトの実のおしりが黒くならないように予防して、美味しいトマトの収穫をしましょう!!
トマトの尻腐れとは
トマトの果実のおしりの部分(トマトの実の底部)が黒くなって硬くなり、くさったように見える状態のことをいいます。
尻腐れになったトマトは、復活することはなく徐々に腐ってしまいます。
特に大玉トマトに発生しやすく、中玉トマトやミニトマトでも見られる現象です。
トマトの尻腐れの原因
トマトの尻腐れの原因は、以下のようなものがあります。
- カルシウム不足
- 肥料過多(特に窒素)
- 水分管理 など
カルシウム不足
- 土壌中にカルシウムが少ない(元肥にカルシウムが少なかった)
- 根からカルシウムがうまく吸収できていない
- 急激な気温変化や乾燥により、カルシウムが実まで十分に届いていない
対策
- 土づくり:植え付けする前にはバランスのいい肥料を使い、苦土石灰や有機石灰を土に混ぜ込みんでカルシウムを補給する(土壌のpHは6.0~6.5)
- 葉面散布:液体カルシウムなどのカルシウム剤を葉にスプレーする(速効性の液体カルシウム剤を葉面散布することで、次の果実の尻腐れの発症を抑える効果が期待できる)
- 摘葉:カルシウムがいくように、葉の反対側の葉を摘葉する
※使用する市販の培養土の袋に書いてある石灰の含有量を確認する
肥料過多(特に窒素)
- 窒素分が多すぎると葉や茎が過剰に成長し、カルシウムの吸収が妨げられる
- カリウムやマグネシウムの過剰も、カルシウムの吸収を妨げる
対策
- 肥料を与えすぎない
- 窒素が多い肥料は控えめにする
- バランスのいい肥料を与える
- 果実が肥大し始める時期に、カルシウムを補給する
水分管理
- 土壌が乾燥しすぎると、カルシウムの吸収が不安定になる
- 水を与えすぎると、カルシウムの吸収が不安定になる
- 乾燥状態が続いた後に急に大量の水を与えると、トマトの実が急激に成長しカルシウムの供給が間に合わなくなる
対策
- 土の表面が乾いたらたっぷりと与える
- 土壌の湿度を一定に保つ
- 極端な乾燥や過湿を避ける
- マルチシートを敷くことで、水の乾燥を防ぐ
- プランターや鉢植えの場合: 鉢植えは土が乾きやすいので、特に注意が必要
トマトの尻腐れの原因と対策のまとめ表
トマトの尻腐れの原因と対策についてまとめた表は、以下の通りです。
原因 | 詳細説明 | 主な対策 |
---|---|---|
カルシウム不足 | ・果実肥大期にカルシウムが実に届かないと発生する ・土壌や根からの吸収が不足する | ・土作り時に石灰(苦土石灰、消石灰など)を使う ・カルシウム入り肥料や液体カルシウム剤の追肥する ・葉面散布でカルシウム補給する |
肥料過多(特に窒素) | ・窒素過多はカルシウムの吸収を阻害する | ・肥料(特に窒素)の施用量を控えめにする ・肥料のバランスを保つ |
水分管理の不良 | ・水分不足で根からの吸収が低下し、カルシウム移動も妨げられる ・乾燥や急激な水分変化で発生する | ・土を乾燥させないようにする ・1回の灌水量より頻度を増やす ・土壌の保水性を高める |
よくある質問

尻腐れが発生したら、果実は元に戻りますか?

元の果実のように戻ることはありません。ただし、予防できます。尻腐れが出た実は、回復しないので早めに摘み取りましょう。
2025年 わが家の畑のトマト
2025年はミニトマト3本と中玉トマト1本を栽培しています。
定期的に酢酸カルシウムを葉面散布をしているためか、今のところ尻腐れにはならず、順調に栽培しています。
酢酸カルシウム
液肥として使う方法(酢酸カルシウム)
- 生卵の殻を使用する場合は、内側に付着している卵白や膜を流水で丁寧に洗う(ゆで卵の殻を使用する場合は、洗わなくても可)
- 卵の殻を平らな入れ物に重ならないように食品トレイなどに並べて、2〜3日干して乾燥させる
- 乾燥した卵の殻を3個分を麺棒などを使って砕く(大きめに砕く)
- 2で砕いた卵の殻3個分をガラスの容器に入れる
- 4に食酢200ml入れて菜箸で混ぜる
- 卵の殻と酢を混ぜることで、二酸化炭素を発生させる(ブクブクと泡が出ます)
- 1晩置く(蓋は開けておく)
- 100〜500倍に希釈して、液肥として使用する
※手順4 写真は半分の量で作ったものです。
写真のように卵の殻を入れる際に、お茶やだしを入れるパック(フィルター)に卵の殻を入れていみました。このようにすると、卵の殻が液の中に出てくることは少ないので液肥として使いやすいです。
酢の中に入れて使い終わった卵の殻も乾燥させて、畑に混ぜ込みました。

- 今までに2回作っていますが、2回目は小さめのお茶パックに入れたうえに触りすぎたため、卵の殻がパックの中から出てきました⇒大きめのお茶パックに卵の殻を入れるといいかもしれません⋯
- 泡のブクブクがお茶パック内に溜まってしまうので、最後に菜箸などで出す必要があります⇒気になるようであれば上記の卵の殻と酢を混ぜて、コーヒーフィルターでこす方法で作るほうが良いかもしれません⋯
まとめ
トマトの尻腐れは、トマトの果実のおしりの部分(トマトの実の底部)が黒くなって硬くなり、くさったように見えるため病気のように見えるため驚く方もいらっしゃると思いますが、病気ではなく生理現象の1つです。
尻腐れになる原因には、
- カルシウム不足
- 肥料過多(特に窒素)
- 水分管理
などがあります。
これらの原因は、それぞれ対策を行うことで、尻腐れの予防できます。
尻腐れは、一度症状が出た実を回復させることはできないため予防が大切です。
植え付け前の土づくり、適切な水やり、そして肥料の管理をしっかり行うことで、ほとんどの場合、尻腐れを予防できます。

尻腐れが出ても慌てずに原因を考えて、対策を行っていきましよう!!