アスパラガスの栽培
春になると、スーパーや直売所で美味しそうなアスパラガスが並びますよね。
実はこのアスパラガス、自宅の庭やプランター、畑で育てることができます!
アスパラガスは多年生の野菜で、一度植えると10年くらい収穫を楽しむことができる野菜で、栄養価が高く育てやすい野菜なので、家庭菜園初心者さんにもおすすめの野菜です。

アスパラガスの栽培ってなんだか難しそう…

アスパラガスは、どうやって栽培するの?

長期間の栽培中の管理方法を教えてほしい!!
という疑問やお悩みをお持ちの方が、いらっしゃるのではないでしょうか?
このように、「アスパラガスは育てるのが難しい」というイメージを持っている方もいるかもしれません。
私は野菜作りを始めてから、現在まで下記の3カ所の貸し農園を借りてきています。
- 2020〜2022年 シェア畑
- 2022〜2024年 市民農園
- 2024年〜 マイファーム
私も実際、アスパラガスの栽培は難しそうだと思っていました。
確かに、種から育てると収穫まで時間がかかりますが、大きめの株の苗を使えば比較的簡単に始められます。
わが家のアスパラガスは、大きめの株を購入して2年目ですが、何本か収穫することができています。
この記事では、家庭菜園初心者の方でも安心して始められるアスパラガスの栽培の方法や管理方法などを詳しく解説します。

栽培に少し時間はかかりますが、春先に伸びてくる太くて柔らかい若芽は格別に美味しいので、畑や庭にスペースがある方は、ぜひ挑戦してみてくださいね。
- アスパラガスの基本情報
- アスパラガスの栽培方法
- アスパラガスの栽培中の管理方法
アスパラガスってどんな野菜?
アスパラガスは春になると芽を出し、太くて柔らかい新芽を食べる野菜で、サラダや炒め物、天ぷらにすると絶品です。
多年草なので、一度植えると約10年間は毎年収穫を楽しむことができます。
また、栄養価が非常に高い野菜です。
アスパラガスの栄養価(可食部100gあたり)
| 栄養素 | 含有量 | 働き・ポイント |
|---|---|---|
| エネルギー | 20 kcal | 低カロリーでダイエットにも◎ |
| たんぱく質 | 2.6 g | 体をつくる材料になる |
| 食物繊維 | 1.8 g | 腸内環境を整える |
| ビタミンC | 15 mg | 抗酸化作用 風邪予防や美肌作用 |
| ビタミンE | 1.5 mg | 老化防止や血行促進に役立つ |
| 葉酸 | 190 μg | 貧血予防 妊活・妊娠期にも重要 |
| カリウム | 270 mg | むくみ予防や血圧調整に効果的 |
| アスパラギン酸 | — | 疲労回復に役立つ アスパラの名前の由来 |
栽培スケジュール
栽培スケジュール
| 時期 | 春植え(3〜5月開始) | 秋植え(10〜12月開始) |
|---|---|---|
| 植え付け | 3〜5月:根株を植える | 10〜12月:根株を植える |
| 1年目(植えた年) | 春に植え、夏は茎葉を育てる→秋に地上部が枯れる | 秋に植え、すぐに冬を迎える → 地上部は枯れて休眠 |
| 翌春(2年目の春) | 新芽が出るが、まだ収穫は控えて株を育てる | 春に新芽が出るが、まだ収穫は控えて株を育てる |
| 翌夏〜秋 | 茎葉が茂る → 株に栄養を蓄える | 茎葉が茂る → 株に栄養を蓄える |
| 翌々春(3年目の春) | 少しずつ収穫スタート | 少しずつ収穫スタート |
| 以降 | 毎年「春に収穫 → 夏に株を育て → 冬に休眠」の繰り返し | 毎年「春に収穫 → 夏に株を育て → 冬に休眠」の繰り返し |
露地栽培とプランター栽培の違い
アスパラガスは、露地栽培とプランターのどちらでも育てることができます。
露地栽培とプランター栽培違い
| 栽培方法 | 特徴 |
|---|---|
| 露地栽培 | 広いスペースが必要で、長期的な収穫が期待できる |
| プランター栽培 | 限られたスペースでも育てられ、移動が可能 プランターなら幅30cm・深さ25cm以上を選ぶと栽培できる |
露地栽培は、根が深く広がるため、より大きな収穫が期待できますが、スペースが必要です。
一方、プランター栽培は、限られたスペースでも育てられ、手軽に始められます。
アスパラガスを栽培するメリット
- 長く楽しめる:一度植えると5年〜10年くらい収穫できる
- 世話が簡単:植えた後は水やりと肥料を少しあげるだけでOK
- 新鮮で甘い:採れたてを収穫して食べると、柔らかくて甘い
- 栽培しやすい:寒さにも比較的強いので、地域を問わず育てやすい
アスパラガスを栽培するデメリット
- 長期間、栽培場所を占領する
- 背丈が高くなると風で倒れやすい
アスパラガス栽培方法
栽培場所選び
- 日当たりが良い場所:日中に6時間以上日が当たる場所で栽培する
- 排水性の良い土壌:高畝にして排水をよくし、湿気をためない
- 風通しの良い場所:病害虫の発生を抑える
- 長期間使用しても支障のない場所:ほかの野菜の栽培に邪魔にならない場所で栽培する
土づくり
アスパラガスは根を深く張るため、土壌の準備が重要です。
土をしっかり深く耕し、有機質に富んだ土壌を作っておく必要があります。
必要物品
- 土壌改良材(完熟堆肥(3~5kg/㎡)+油かすや骨粉や米ぬかなど)
- 苦土石灰(100〜150g/㎡)
- 化成肥料(化成肥料で100g/㎡)
- スコップや鍬
- ジョウロやホース
土づくりの方法
植え付けの2週間以上前
- 苦土石灰(100〜150g/㎡)を施し、pH6.5〜7.0程度 に調整する
- 土壌改良材を混ぜ込む
植え付けの1週間前
- 化成肥料(100g/㎡)加える

市販の野菜用培養土を使うと土壌改良材や肥料を使わずに、土づくりが簡単にできますよ。
苗選び
アスパラガスは種や苗でも栽培できますが、栽培に時間がかかるので根株からの栽培のほうが栽培しやすいです。
アスパラガスを栽培する際には、良質な根株を選ぶことが成功の鍵になります。
苗を購入できる場所
- 園芸店
- オンラインショップ
- ホームセンター など
根株を選ぶ際のポイント
- 健康的な葉や根がある
- 根元が太い
- 芽がしっかりしている
- 病気や虫害の兆候がない
- 品種の特性を理解する
- できれば大きいもの
※大きめの根株はコストは高くなりますが、早く収穫できます。

早く収穫を楽しみたい方は、大きめの根株を購入して栽培するといいですよ!!
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植え付けの方法
植え付け時期
アスパラガスの植え付けは、春または秋が適しています。
春(3〜5月)か秋(10〜12月)
必要物品
- アスパラガスの苗:家庭菜園では大きめの根株を買うのがおすすめ
- 肥料:元肥として有機肥料、追肥用に液体肥料。
- シャベルやスコップ
- ジョウロ
- マルチング材(雑草予防)
- 支柱
- 麻紐など
植え付けの方法
- 苗を植える際は、株間を30〜40cm、条間を60cm以上空ける
- 穴を深さ20cmほど掘り、根株は傷つけないよう丁寧に扱いながら、根を広げて植え付ける
- 土を被せて軽く押さえる
- 水をたっぷり与える
- 雑草防止のためのマルチング材を株元にかける
- アスパラガスが伸びてきたときに、倒れないように支柱を立てて、麻紐などで周りを囲む
※大きい根株であれば収穫できますが、1年目は収穫せず株を充実させます。
※プランターの場合、1株あたり1つのプランターを使い、底に排水用の穴があるものを選びましょう。
アスパラガスの栽培のポイント
- 日当たりの良い場所を選ぶ
- 風通しの良い場所を選ぶ
- 良質な苗を購入する
- 適切な水やりを行う
- 肥料を定期的に施す
- 深く耕す
- 寒冷地では冬にマルチングを強化する
- 夏に伸びる茎や葉は切らずに根に栄養をためて、翌年の収穫につなげる
- 雑草は早めに取り除く
アスパラガスの管理方法
日々の管理
水やり
- アスパラガスは乾燥に弱いので、土の表面が乾いたら水やりする
- 夏場は毎日、土の状態をチェックする
※水はけが悪いと根腐れの原因になるので注意する
肥料(追肥)
アスパラガスの追肥スケジュール(畑栽培の目安)
| 時期 | タイミング | 施肥量(化成肥料) | 回数の目安 | 目的 |
|---|---|---|---|---|
| 春(3〜4月) | 萌芽期(芽が出始めた頃) | 30〜50g/㎡ | 1回 | 新芽を元気に出させる |
| 春〜初夏(収穫中) | 収穫期(2〜3週間ごと) | 20〜30g/㎡ | 2〜3回 | 株の体力を落とさず収穫を続ける |
| 初夏(6〜7月) | 収穫終了直後 | 40〜50g/㎡ | 1回 | 茎葉を充実させ、翌年の芽を太らせる |
| 秋(9月頃) | 株を太らせる時期 | 30〜40g/㎡ | 1回 | 冬越しと翌年の収量確保 |
※年間で 4回+収穫期の2〜3回(合計6〜8回程度) が目安です。
※収穫後の追肥と秋の追肥が、来年の収穫量に特に影響します。
アスパラガスの追肥スケジュール(プランター栽培の目安)
| 時期 | タイミング | 施肥量(化成肥料) | 回数の目安 | 目的 |
|---|---|---|---|---|
| 春(3〜4月) | 萌芽期(芽が出始めた頃) | 5〜10g/株 | 1回 | 新芽を元気に出させる |
| 春〜初夏(収穫中) | 収穫期(2〜3週間ごと) | 3〜5g/株 | 2〜3回 | 株の体力を落とさず収穫を続ける |
| 初夏(6〜7月) | 収穫終了直後 | 8〜10g/株 | 1回 | 茎葉を充実させ、翌年の芽を太らせる |
| 秋(9月頃) | 株を太らせる時期 | 5〜8g/株 | 1回 | 冬越しと翌年の収量確保 |
※プランターは水やりで養分が流れやすいため、少量をこまめに施す
※化成肥料は株元から少し離して置き肥にするか、薄めた液肥を2週間おきに与えても良いです。
※追肥後は軽く土をかけるか、株元に腐葉土などを敷いて養分保持を助けます。
病害虫対策
主な害虫
- アブラムシ
- ハダニ
- ジュウシホシクビナガハムシ など
対策
- 定期的にチェックする
- 必要時に応じて市販の殺虫剤を使用する
- 風通しを良くする
- 水はけをよくする
- 雑草を取る
主な病気
- 茎枯病 など
対策
- 適切な水やりを行い、湿気を防ぐ
- 病気の兆候を早期に発見し、対処する
- 有機農薬を使用して、害虫を防ぐ
雑草の管理
雑草はアスパラガスの成長を妨げるため、定期的な管理が必要です。
雑草が生えると、栄養や水分を奪われてしまいます。
- 定期的に手で抜く
- マルチングを行い、雑草の発生を抑える
- 除草剤を使用する場合は、アスパラガスに影響がないものを選ぶ
1年目の管理
アスパラガスは初年度は細い葉しか出ませんが、地下ではしっかりと根を育てています。
1年目は収穫を控え、根の成長を促すことが大切です。
害虫や病気に注意し、特にオオタバコガやヨトウムシには早めに対処します。
2年目以降の管理
アスパラガスは、毎年の栄養管理が必要です。
特に、春に堆肥を施すことで、根の成長を促進します。
また、成長期には定期的に肥料を与え、栄養を補給します。
これにより、健康な株を維持し、良い収穫を期待できます。
栄養管理をしっかり行うことで、アスパラガス栽培の成功につながります。
冬の管理
アスパラガスは冬に休眠しますが、翌年の成長を助けるため適切な準備が必要です。
- 毎年冬に枯れた茎を刈り取り、株を休ませる
- 葉が枯れたら地際から5~7センチのところで刈り取る:病害虫の越冬を防ぐ
- 株元には土を寄せやマルチングして防寒対策する
※寒い地域では、根が凍らないようにすることが重要です。
アスパラガスの収穫
植え付けた年から収穫したい気持ちになるかもしれませんが、最初の1〜2年は収穫をせず、株を大きく育てることに専念しましょう。
株を休ませることで、翌年以降、太くて立派なアスパラガスが収穫できるようになります。
収穫時期
- 春(4〜6月)
- 植え付けから2〜3年目以降
- 太さが1cm以上
収穫方法
- 地表から15〜20cmになったら、ナイフやハサミを使って収穫する
※全部取ると翌年弱るので、6月以降に出る芽はそのまま伸ばします。
わが家の畑のアスパラガス
2024年にわが家が購入したアスパラガスの根株は(大)というサイズを購入したので、2年目から収穫ができています。

まとめ
アスパラガスは多年生の野菜で、一度植えると10年以上収穫が楽しめる家庭菜園でも人気の高い野菜です。
植え付けから最初の収穫まで少し時間はかかりますが、それ以降は毎年春からの収穫を楽しむことができます。
栽培方法もシンプルなので、
- 土作り
- 植え付け
- 管理
をしっかり行うことで、初心者でも安心してチャレンジでき、スーパーで買うのとは一味違う採れたてで、新鮮なアスパラガスを食べることができます。

家庭菜園の楽しさを実感できる野菜の栽培なので、ぜひ自分で育てたアスパラガスを収穫して、その新鮮な味わいをぜひ体験してみてくださいね!!

きっと美味しさに感動しますよ!!

