秋じゃがいもの栽培
じゃがいもは、春植えと秋植えがあります。
秋に栽培するじゃがいもは、春に栽培するじゃがいもに比べると、気温が安定してきて病害虫も減ってくる時期になるため、初心者でも栽培しやすいです!!

秋に植えるじゃがいもの栽培スケジュールを知りたい!!

栽培中の管理の方法と注意点を教えて!!

いつ種芋を植え付けしたらいいですか?
という疑問やお悩みをお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか?
私は野菜作りを始めてから、現在まで下記の3カ所の貸し農園を借りてきています。
- 2020〜2022年 シェア畑
- 2022〜2024年 市民農園
- 2024年〜 マイファーム
わが家の畑でも、毎年春と秋にじゃがいもの栽培を行っています。
今回の記事では、秋に植えるじゃがいもの栽培方法と注意点について解説しています。

秋植えのじゃがいもは比較的栽培しやすいので、この記事を参考に秋じゃがの栽培に挑戦してみてくださいね。
秋にじゃがいもの栽培をするメリット
- 気温が下がるので、病気のリスクが減少する
- 春に比べて、害虫の発生が少ない
- 甘みが増す
- 植え付けから収穫まで約90日と収穫時期が短いため、家庭菜園でも手軽に育てやすい
- 土壌の準備が比較的簡単
秋に植えるじゃがいも栽培のスケジュール
秋じゃがいもを植える時期は、8月下旬から9月上旬が目安です。
※植え付けが遅すぎると、じゃがいもが大きく育つ前に霜が降りてしまい、収穫量が減ってしまうことがあるので植え付け時期に注意してください。
秋じゃがいも栽培のスケジュール
秋じゃがいもの栽培スケジュールは以下の表のようになります。
作業 | 時期(中間地目安) | ポイント |
---|---|---|
種芋の芽出し | 8月上旬 | 直射日光や暖かい場所で芽を出させる(20~30日程度) 高温期のため種芋はなるべく切らずに、鶏卵大のものを使用する 切る場合は、切り口をしっかり乾燥させる |
植え付け | 8月下旬~9月上旬 | 秋作向け品種を選び、種イモはできるだけ切らずに植える |
芽かき | 植え付け3週間後 | 勢いの良い芽を2~3本残し、他は抜いて株間確保する |
土寄せ・追肥1回目 | 芽かき同時 | 根元へ5cm程度土寄せをして、芋の露出を防ぐ 追肥 |
土寄せ・追肥2回目 | つぼみがつき始めたとき | 10cm程度土をかける 追肥 |
病害虫対策 | 9月~11月 | アブラムシ・ヨトウムシなどの害虫を防除する |
収穫 | 11月下旬~12月上旬 | 葉の7~8割が黄色くなり枯れ始めたら収穫する 晴天が続く日に収穫すると腐りにくい |
※地域によって、時期がずれることがあります。
秋のじゃがいも栽培の基本
じゃがいも栽培をする場所を決める
- 日当たりのいい場所
- 水はけのいい場所
- 風通しのいい場所
- 連作障害を避けるため、ナス科(ナス、トマト、ピーマン、ししとうなど)の跡地で栽培しないようにする
土づくり
じゃがいもの栽培が成功するかどうかは、土づくりの準備がうまくできるかで決まります。
- 水はけのいい場所を選ぶ
- 石や雑草を除去する
- 植え付けの2週間前に酸度の調整のため必要に応じて苦土石灰をまき、深さ30cm程度耕して土を柔らかくする
- 植え付けの1週間前に堆肥、腐葉土、有機肥料もしくは化成肥料などを混ぜて耕す
- 土壌pHは5.0~6.0
- プランター栽培の場合は深さ30cm以上の大きめの容器を使用し、底に軽石を敷いて排水性を高める(市販の野菜用培養土を使用すると手軽にできる)
品種選び
- 秋作に適した品種(デジマ・ニシユタカ・アンデスレッド、キタアカリ、メークイン、男爵)を選ぶ
種芋の準備
- 園芸店や種苗店で「じゃがいもの種芋専用」の種芋を購入する
※スーパーなどで売られているじゃがいもは、ウイルスに感染している可能性があるので、種芋には適していません。
- 高温期の植え付けは種芋の腐敗を防ぐため、切らずに小さめのものを使用する(30〜40g 鶏卵大くらいの大きさ)
- あまりおすすめできませんが、どうしても大きいものしかない場合は、種芋には芽が複数あるので、それぞれに芽がつくようにカットして切り口をしっかり乾燥させる
- 健康で傷のないものを選ぶ
- 表面が滑らかで、しっかりとした重みのあるものを選ぶ
芽出し
芽出しを行うことで発芽率が向上し、成長が促進されます。
- 植え付けの2〜3週間前から、種イモを日光に当てて芽出しを行う
- 温度が10〜20℃の場所で保管する
- 約1ヶ月前から行うと、しっかりとした芽が出る
- 芽が出たら乾燥しないように注意し、適度に水分を与える
植え付け
- 植え付け時期は地域の気温などにもよりますが、8月下旬〜9月中旬
- 猛暑日が続く場合は、気温が落ち着く9月中旬以降に植え付ける
- 深さ10cmほどの溝を作り、種芋を30cm離して植え付ける(深すぎると発芽が遅れ、浅すぎると根がしっかりと張らない)
- じゃがいもの種芋を切った場合は、切り口を下にして植え付けする(芽が出る方を上にする)
- 5〜7cm程度の土を被せる
- 植え付け後は、たっぷりと水を与える
芽かき
芽かきをすることで、残した芽に栄養が集中し、大きなじゃがいもが育ちやすくなります。
- じゃがいもの芽が5〜10cmほどに伸びてきたら、元気の良い芽を1〜2本残して、他はすべて抜き取るか切り取って「芽かき」する
水やり
- 乾燥する日はしっかり水やりする
- 過湿にならないようにする
土寄せ
- じゃがいもが土の表面から出てきて緑になる緑化(毒性)を防ぐために土寄せする
- 発芽後1カ月程度で行い、2〜3回に分けて土寄せする
芽かき
- 芽かき後とその2〜3週間後に追肥を行う
- 芽かきと同時に、土寄せも忘れずに行う
追肥
- 液肥を使う場合、芽が出てきたら1~2週間に一度追肥する
- 窒素過多にならないよう、リン酸とカリウムが多めの肥料を選ぶ
除草
- 定期的に雑草を取り除く
病害虫対策
- 乾燥や高温が続くと病気のリスクが高まるため、適切な水やりと風通しのいい環境を整える
- 定期的に葉を観察し、異常があれば早めに対処する
- ヨトウムシやアブラムシには注意し、見つけたら早めに捕殺する
収穫
- 茎や葉が黄色く枯れてきたら収穫のサイン
- 一般的に、11月下旬から12月上旬が収穫時期
- 植え付けから約80~100日後
- 収穫の2〜3日前から水やりを控えて土を乾燥させておくと、イモが傷みにくくなる
- じゃがいもを傷つけないように、株から少し離れた場所にスコップを入れて掘り上げる
- 収穫後は、半日ほど天日干しをしてから保存する
- 収穫は晴天の日に行うと、湿気を避けることができるので腐敗を防げる
保存
- 風通しの良い冷暗所で保管する
- 完全に乾いたら、新聞紙などに包んで涼しい場所で保存する
- 日光や湿気は避ける
- 定期的に状態を確認し、傷んだものは早めに取り除く
- 1~2カ月以内に食べきる
- 温度は5〜10℃、湿度は70%程度にする
秋じゃがいも栽培の注意点
種芋
- スーパーの食用じゃがいもはウイルスのリスクがあるため、必ず種芋用のものを使用する
- 秋は高温多湿になりやすく種芋が腐りやすいので、なるべく切らずに植え付けする
- どうしても切る場合は、切り口をしっかり乾燥させてから植え付ける
- 気温が下がると成長が鈍化し、収穫量が減少することがあるため、適切な時期に植え付けする
気温管理
- 植え付け時期に気温が高いと種芋が腐りやすくなるので、植え付け後はわらや枯れ草をかぶせて土の温度を上げないようにする
- 秋は気温が下がるのが早く、早霜などの影響を受けやすいので、必要に応じてマルチ、不織布、ビニールで覆う
水の管理
- 水のやり過ぎは根腐れの原因になるので、過度な水やりを避ける
連作
- じゃがいもは同じ場所で続けて栽培すると病気にかかりやすくなるため、2〜3年はあける
- ナス科(ナス、トマト、ピーマンなど)の後も避ける
害虫対策
- 春ほどではありませんが、アブラムシやヨトウムシが発生することがあるので、発見したら早めに駆除する
- 農薬を使用する場合は、安全なものを選ぶ
収穫のタイミング
- 収穫が遅れすぎると芋が傷んでしまうので注意する
よくある質問

プランターでも育てられますか?

可能です!深さ30cm以上のプランターを使い、排水用の穴があるものを選ぶようにしてください。

失敗しがちなポイントはありますか?

水のやりすぎや、土寄せを怠ると芋が緑化してしまいます。

収穫量を増やすコツはありますか?

良質な種芋と肥料、適切な土寄せが重要です。また、連作を避けるため、同じ場所での栽培は2~3年空けましょう。
まとめ
秋じゃがいも栽培は栽培スケジュールを知り、
- じゃがいもの栽培する場所を決める
- 土づくり
- 適切な品種選び
- 種芋の準備
- 芽出し
- 植え付け
- 水やり
- 土寄せ
- 芽かき
- 追肥
- 除草
- 病害虫対策
- 収穫
- 保存
など栽培中の管理を丁寧に行うことで、成功させることができます。

春じゃがいもの栽培に比べると栽培しやすいので、この記事を参考に秋のじゃがいも栽培に挑戦してみてくださいね。

初心者でも栽培の基本と注意点に気を付けて栽培することで、美味しいじゃがいもを楽しむことができますよ。
