白菜の霜対策
寒さが厳しくなる冬、家庭菜園で育てた白菜にとって一番の敵は「霜」です。
せっかく大きく育った白菜も、霜に当たると葉が凍って傷み、腐敗の原因になってしまいます。
白菜が霜に当たるとどうなるの？
霜から白菜を守るための方法を教えてほしい！！
という疑問やお悩みをお持ちの方が、いらっしゃるのではないでしょうか？
私は野菜作りを始めてから、現在まで下記の3カ所の貸し農園を借りてきています。
- 2020〜2022年 シェア畑
- 2022〜2024年 市民農園
- 2024年〜 マイファーム
わが家の畑でも白菜の冬の霜対策として、
- 不織布で覆う
- ビニールを覆う
- 白菜を紐でくくる
などの対策を行うことで、霜にやられることなく、収穫することができています。
白菜を栽培している方にとって、冬の霜対策は収穫量を左右する重要なポイントです。
今回の記事では、白菜を霜や寒風から守り、冬越しを成功させるための具体的な対策を解説します。
霜による被害を最小限に抑え、冬越しを成功させて、豊かな収穫を目指しましょう。
- 霜が白菜に与える影響
- 白菜の霜対策の方法
なぜ白菜は霜に弱いの？
白菜は冷涼な気候を好みますが、氷点下を下回るような強い霜には弱い野菜です。
白菜は水分が多いため霜が降りると、葉の細胞内の水分が凍結し「霜枯れ」を起こし、葉が半透明→枯れて細胞が破壊されてしまいます。
白菜に霜が降りるとどうなる？
霜のメリット
- 糖度が上がる：寒さで白菜は自らを守るために糖分を蓄積する
- 甘みが増す：軽い霜は白菜を美味しくする
- 食感が良くなる：適度な寒さで葉が締まる
霜のデメリット
- 凍害のリスク：-5℃以下で細胞が破壊される
- 腐敗の原因：霜解け後の水分で病気が発生
- 商品価値の低下：外葉が茶色く変色する
霜対策が必要なタイミング
以下の条件に当てはまったら、すぐに対策を始めましょう！！
- 天気予報で最低気温が0℃以下になる
- 11月下旬～3月上旬の栽培期間
- 結球が始まった白菜
- 霜注意報が発令された地域
地域別・時期別の霜対策
寒冷地（北海道・東北）
- 10月下旬～11月：外葉縛り開始
- 11月中旬：不織布またはトンネル設置する
- 12月以降：収穫完了が理想
中間地（関東・中部・関西）
- 11月下旬：霜対策準備開始する
- 12月～2月：不織布・外葉縛りで対応
- 3月：春白菜は霜注意報に注意する
暖地（九州・四国・沖縄）
- 12月中旬以降：霜対策が必要な日のみ対応
- 1月下旬～2月：寒波時のみ不織布使用する
※あくまでも目安なので、気象情報を見て判断するようにしてください。
白菜の霜対策
白菜の冬越しを成功させるための具体的な対策を紹介します。
これらの方法を組み合わせることで、より効果的に霜から白菜を守ることができます。
外葉を立ててひもで縛る
白菜の外葉を立てて軽くひもでまとめることで、霜や雪から中心部を守ることができます。
最も一般的で効果的な白菜の寒さ対策が「結束」です。
目的
外葉を閉じることで、内部の結球部分を冷たい外気や霜から守ります。
時期
結球が完了し、本格的な寒さが来る前（一般的に11月下旬〜12月上旬）が目安です。
方法
- 縛る前に葉の中の虫を確認・除去する
- 白菜の外葉をまとめ、頭（頂部）から少し下の部分を麻ひもやビニールひもでゆるめに縛る
注意点
- 強く縛りすぎないようにする
- 通気性を保ちながら保温する
メリット
- コストゼロで、すぐできる
- 白菜自身の葉で保護する自然な方法
- 軽度の霜（-2℃程度）に有効
デメリット
- 強い霜には不十分
- 縛った部分に湿気がこもることがある
不織布や寒冷紗をかける
市販の不織布や寒冷紗をかけると、放射冷却による霜の発生を防止できます。
日中はそのまま光を通すので、成長を妨げることもありません。
目的
地温の低下を防ぎ、直接的な霜の付着を避けます。
方法
- 白菜の株全体を不織布で覆う
- U字型のピンや土で裾をしっかり固定する
- 日中は外して通気させる
注意点
- 日中は通気させる
- 霜が特に強い地域では、不織布を二重にする
メリット
- 3～5℃程度の保温効果がある
- 通気性があり、蒸れにくい
- 繰り返し使える
デメリット
- 初期投資が必要
- 風で飛ばされないよう固定が必要
株元を稲わらや落ち葉などで覆う
稲わらや落ち葉を覆う「マルチング」も、地温低下を防ぐのに役立ちます。
目的
根元にワラや落ち葉を敷くことで、地温の低下を防ぎ、霜柱が立ちにくくなります。
ワラマルチは保湿・防寒・雑草対策にも効果的です。
方法
- 株元にワラや落ち葉を5～10cm厚く敷く
- 黒マルチを張っている場合は、そのまま活用する
メリット
- 地温を2～3℃上昇させる
- 霜柱による根の浮き上がりを防ぐ
- 雑草対策にもなる
デメリット
- ナメクジなどの害虫が隠れやすい
- 過度な湿気に注意する
注意点
- 銀色マルチは保温効果が低いので要注意
トンネル栽培で霜を遮断する
トンネル栽培をすることにより、霜を遮断します。
目的
白菜を霜や低温から守り、生育を安定させることができます。
方法
- 畝にアーチ支柱を立てる
- ビニールや不織布で覆ってトンネル状にする
- 気温に応じて換気する
メリット
- 霜害の防止する
- 保温効果による生育の促進
- 葉の傷みや害虫被害の軽減する
デメリット
- 設置の手間がかかる
- 資材コストがかかる
- 過湿になりやすい
- 高温によるトラブルが起きやすい
注意点
- 晴天時の温度上昇を防ぐため換気を行う
- 被覆材が風で飛ばされないよう確実に固定する
収穫時期を見極める
寒さが厳しくなる前に、しっかり結球した白菜は早めの収穫が安心です。
収穫後は新聞紙に包んで冷暗所で保存すると、長期間おいしく食べられます。
方法
- 霜が本格化する前に外側の株から収穫する
- 大きくなった白菜を優先的に収穫する
- 小さい株には重点的に防寒対策する
メリット
- リスク分散ができる
- 収穫適期を逃さない
- 管理の手間が減る
白菜の冬越しポイント
- 収穫時期の見極め: 結球が完了する前に霜が降りると、葉が傷んでしまうため、適切な時期に早めに収穫します。
- 寒さに強い品種の選定: 冬越しを成功させるためには、耐寒性や貯蔵性の高い品種を選ぶことが重要です。
- 糖度の増加: 寒さにさらされることで白菜の糖度が増し、甘みが増すことがあります。
よくある質問
白菜が霜で傷んだ場合、どうすればいい？
堆肥にできます。
白菜を結束しないとどうなりますか？
結束しない場合、外葉が大きく広がり、結球部分が寒さに晒されやすくなります。特に厳しい寒さでは、外葉が大きく傷み、食べられる部分が減ってしまう可能性があります。
不織布はいつまでかけるべきですか？
霜のリスクがなくなる春先までかけるようにします。ただし、昼間の気温が高い日は外して換気を行います。
霜に強い白菜の品種は、ありますか？
「冬嶺」「冬輝」などの耐寒性・保存性の品種がおすすめです。
白菜を縛るコツは、ありますか？
結球のやや上部でしっかり縛るようにします。
霜に当たった白菜は食べられますか？
軽く霜に当たった程度なら、白菜に含まれるデンプンが糖に変わり、甘みが増しておいしくなることもあります。
ただし、凍結と解凍を繰り返して葉がドロドロになり、黒く変色して溶けたようになっている部分は、腐敗しているため食用不可です。
※傷んだ葉を早めに取り除き、中心部を守るようにしましょう。
わが家の畑の白菜の冬越し対策
10月頃まで暑かったため虫が多かったので、、シルバーマルチと防虫ネットせトンネル栽培しています。
シルバーマルチを使用しているため、地温が上がりにくい状態です。株元には、卵の殻とワラを敷いて保温しています。
2025年11月13日
週間天気予報にて翌週に寒い日があるとのことで、白菜に不織布をかけて霜対策を行いました。
不織布だけだと強風で不織布が飛んだりすることがあるので、白菜の丈夫に不織布をかけた上に防虫ネットをかけています。
まとめ
白菜は寒さに強い野菜ですが、霜には注意が必要です。
地域の気候や品種の特性を考慮し、早めに対策を始めることが冬越し成功の鍵です。
- 外葉をまとめて、ひもで縛る
- 不織布や寒冷紗をかける
- 株元を稲わらや落ち葉などで覆う
- トンネル栽培で霜を遮断する
- 収穫時期を見極める
これらの冬越し対策をすれば、白菜を霜から守ることができます。
適切な寒さ対策を行い、甘みが増した美味しい白菜を収穫していきましょう！！
