ウリハムシの予防と駆除対策

ウリハムシってどんな虫ですか?

ウリハムシは、どんな野菜を好むの?

ウリハムシは植物にどんな影響を与えますか?

ウリハムシ対策にはどんな方法がありますか?
という疑問やお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではのではないでしょうか?
私は野菜作りを始めてから、現在まで下記の3カ所の貸し農園を借りてきています。
- 2020〜2022年 シェア畑
- 2022〜2024年 市民農園
- 2024年〜 マイファーム
毎年きゅうりとスイカを栽培しているのですが、ウリハムシは必ずといっていいほど飛来してきています。
さまざまな対策を複数組み合わせることで、葉っぱは食べられることはあるものの、枯れることなく収穫することができています。
ウリハムシはウリ科の植物の葉・茎・根を食害する厄介な虫なので、早期発見、早期対策が必要になってきます。
今回の記事では、ウリハムシについての特徴と対策について解説します。

ウリハムシの特徴を知り、ウリハムシ対策をしていきましょう!!
ウリハムシとは
ウリハムシ(学名:Aulacophora femoralis)
日本でもよく見られる小さな甲虫の一種で、特にウリ科植物(キュウリ、カボチャ、スイカなど)に大きな影響を与える害虫です。
別名
ウリバエ

ウリハムシの特徴
形状
- 成虫の体長は約6〜9mm程度
- 幼虫の体長は最大で10mm程度
色
成虫
- 体色は黄橙色またはオレンジ色
- 頭部と前胸部は光沢のある橙黄色
- 腹部や脚の一部は黒っぽい色
- ツヤがあり
- 背中は滑らか
幼虫
- やや黄色がかった白色の細長い円筒状
生息地
- 日本全国に分布
- 畑や家庭菜園など
- ウリ科(スイカ・メロン・きゅうり・かぼちゃなど)の植物が育つ場所
活動時期
- 主に春から秋(特に5〜9月)
- 気温が高い時期に活発になる
飛翔能力
- よく飛ぶ
- 近づくとピョンと飛び跳ねるように逃げる
- 朝の涼しい時間は動きが鈍い
ウリハムシの食べ物
- ウリ科の植物(きゅうり、すいか、メロン、かぼちゃなど)を好む
- 成虫も幼虫もウリ科の植物を食害する(成虫はウリ科植物の葉や茎をかじる/幼虫は地中で根を食べる)
ウリハムシの成長過程
ウリハムシの成長サイクルをまとめると、以下の表のようになっています。
ステージ | 内容 | 時期目安 |
---|---|---|
① 卵 | 越冬した雌成虫が4月下旬から7月上旬にかけて、土の中に産卵する | 春〜初夏(5月頃〜) |
② 幼虫 | 卵から孵化し土中でウリ科植物の根を食べながら成長する 幼虫は土中で3~5週間成長する | 初夏〜夏 |
③ 蛹(さなぎ) | 土中で蛹になる 1〜2週間で羽化して成虫になる | 夏 |
④ 成虫 | 土から出てきた成虫が葉や茎を食害しながら繁殖活動を始める 新成虫は7~8月に発生し、9月下旬から越冬場所に移動する | 夏〜秋 |
⑤ 越冬 | 成虫のまま、日当たりの良い草むら・石垣の間・建物の隙間・落ち葉の下・土の中などで集団越冬する | 晩秋〜冬 |
⑥(翌年へ) | 春になったら再び活動を開始 繁殖サイクルを繰り返す | 翌春 |
寿命
寿命はおよそ1年
ウリハムシによる被害
- 葉が食害されると、光合成が妨げられ生育が悪くなる
- 幼虫による根の食害で、植物が枯れるがある
- 成虫は葉を不規則な半円形や円形、網目状に食害する
- 幼苗期や発芽期の被害が大きい
- スイカやマクワウリでは果実の表面も浅く不規則に食害する
- ウイルス病を媒介する(特にバクテリア性のウィルト病を広めることが知られている)こともあり、二次的な病気被害もある
ウリハムシ対策
ウリハムシ対策を表にまとめました。
優先度 | 対策方法 | 内容 | ポイント |
★★★ | 防虫ネットをかける | ウリ科の苗を植えたらすぐに防虫ネットをする | ネットは地面までしっかり閉めておく |
★★★ | 黄色の粘着テープを設置する | ウリハムシは黄色に引き寄せられるので、粘着テープで捕まえる | 苗の近くに数本立てておくと効果あり |
★★☆ | 早朝に手で捕まえる(手で採る=テデトール) | 朝の涼しい時間に成虫を手捕りしてバケツへ ペットボトルで捕獲 | 石けん水入りバケツで効率アップ |
★★☆ | キラキラ反射材を設置する | アルミホイル・シルバーマルチ・キラキラテープをっ設置して、光の反射でウリハムシを忌避する | キラキラテープは風で揺れるように設置するとさらに効果あり |
★★☆ | 木酢液を散布する | 木酢液を希釈して葉にスプレーする | 臭いで忌避効果あり |
★☆☆ | コンパニオンプランツを使う | ネギ、ニラなど匂いの強い植物をコンパニオンプランツとして一緒に植える | ウリハムシだけでなく他の害虫にも効果あり |
★☆☆ | ニームオイルを散布する | 自然由来のニームスプレーで食害抑制+産卵抑制 | 晴れた朝または夕方に散布する |
★☆☆ | 酢酸カルシウム液を散布する | カルシウム補給+酢の効果で植物を強くし、害虫を忌避する | 希釈倍率を守って定期散布する |

木酢液(もくさくえき):虫よけ
木酢液は、木材を炭焼きする際に発生する煙や水蒸気を冷却して得られる液体です。原液を作るのは難しいので、今回は市販の木酢液を使用して作る場合の方法を紹介します。
必要物品
- 木酢液
- 水
- ペットボトルまたは噴霧器
作り方
- ホームセンターや園芸店などで「純正木酢液」を購入する
- 用途に応じて希釈して使用する
使い方
希釈
原液は使用せず、生長促進なら500倍、害虫駆除なら200〜500倍、土壌殺菌なら100〜200倍に希釈して使用する
散布対象
- 植物の葉や周りの土壌
散布タイミング
- 曇りの日か朝夕の涼しい時間
散布頻度
- 週1回くらい
ポイント
- 葉の裏側ににも忘れずにスプレーすると効果あり
- 植物が軽く湿るくらいの量を散布する
- 雨の後は効果が薄れるので再散布する
- 濃すぎると植物にダメージを与えるので注意する
- 少し匂いがするので、散布時マスクをする
酢酸カルシウム液(さくさんカルシウムえき):植物を丈夫にして、間接的に虫が寄りにくくする
必要物品
- 卵の殻:適量
- 食用の酢(米酢、穀物酢など):卵殻がつかる量
- ペットボトルまたは噴霧器
作り方
- 乾かした卵の殻をよく砕く(ミルサーやすり鉢を使うと楽)
- 砕いた殻を容器に入れ酢を注ぐ
- ブクブク泡(炭酸ガス)が出てきたらOK
- 室温で2〜3日放置して反応させる。
- 泡が収まって透明になったら完成
- 上澄み液(酢酸カルシウム液)を別容器に移して保存。
使い方
希釈
- 完成した液を100〜300倍に薄める(液5ml+水500〜1500ml)
散布対象
- 植物の葉や周りの土壌
散布タイミング
- 曇りの日か朝夕の涼しい時間
散布頻度
- 週1回くらい
ポイント
- 葉焼け防止のため、濃すぎないよう注意。
- 酸性が強いので、晴天・高温時の散布は避ける。
- 少し匂いがするので、散布時マスクをする
時期別に複数組み合わせたウリハムシの対処方法
対策法を時期によってわかりやすいようにまとめた表です。
時期 | 対策内容 |
---|---|
3〜4月(種まき・苗植え前) | ・雑草を取り除く ・土作りで肥料を入れすぎない ・コンパニオンプランツ(ネギ・ニラ・マリーゴールド)を一緒に植える ・防虫ネットを使用する |
4〜5月(苗植え時期) | ・苗植え後すぐ防虫ネットをかける ・ネットの隙間から虫が入らないようにする ・できれば毎日虫の有無や植物の状態を観察する ・追肥で苗の健康管理する |
5〜6月(初期生育期・ウリハムシ最盛期) | ・できれば毎日虫の有無や植物の状態を観察する ・ウリハムシを見つけたら手で捕殺する(できれば朝の動きが鈍い時間) ・必要時、天然成分殺虫スプレーを使用する ・防虫ネットに隙間や破れがないかチェックする ・捕獲トラップ(黄色粘着シート)設置 |
7〜8月(収穫期直前) | ・できれば毎日虫の有無や植物の状態を観察する ・捕獲トラップ(黄色粘着シート)設置 ・病気の有無を観察する |
8〜9月(収穫後・片付け時期) | ・残った茎葉はすぐ片付ける ・土の天地返しを行う ・寒おこしを行う |
わが家の畑のウリハムシ対策
まだ植えて1カ月たたないので苗が十分成長するまでは、ウリハムシの被害にあいやすいきゅうりとスイカの畝は完全に防虫ネットで覆っています。


ここまで対策しているので、今のところウリハムシの被害にはあっていません。
ツルが上の支柱の高さに成長するまでは、防虫ネットをしておく予定です。
まとめ
ウリハムシは、主に春から秋(特に5〜9月)の気温が高い時期に活発になり、ウリ科の植物に悪影響を与える害虫で、定期的な観察と早期対応が被害を最小限に抑える鍵となります。
ウリハムシの被害を防ぐためには、環境管理と適切な対策を組み合わせることが重要です。複数の方法を組み合わせることで、初心者でも手軽に被害を抑えることができます。
このまとめ記事を参考に防除と駆除の対策をしっかり行えば、大切な野菜をしっかりと守ることができるので、自分の栽培スタイルや環境に合った方法を選んで対策しましょう。

ウリハムシに負けず野菜作りを楽しんで、美味しい野菜の収穫をしてくださいね。