にんにくの収穫ポイント
秋に植え付けたにんにく、寒い冬を乗り越えいよいよ収穫の時期が近づいてきます。

にんにくの収穫時期はいつですか?

にんにくの葉が枯れてきたけれど、もう収穫していいの?

にんにくの収穫時期を見極めるポイントはありますか?

にんにくの保存の際に気をつけることはありますか?
という疑問やお悩みをお持ちのかたもいらっしゃるのではないでしょうか?
私は野菜作りを始めてから、現在まで下記の3ヵ所の貸し農園を借りてきています。
- 2020〜2022年 シェア畑
- 2022〜2024年 市民農園
- 2024年〜 マイファーム
私は市民農園を借りてから、毎年にんにくを栽培しています。
2024年は市民農園の返還期日がせまっていたため、収穫時期よりも2か月ほど収穫が早くしなければならなくなり、小さいにんにくしか収穫することができませんでした…
にんにくは収穫適期にサインをみて収穫することが重要です。
この記事では、収穫時期、失敗しない収穫時期の見極めポイント、保存方法をわかりやすく解説します。

ぜひこの記事を参考にして、おいしいにんにくをベストタイミングで収穫しましょう!
にんにくとは
分類
ヒガンバナ科ネギ属
原産地
中央アジア
特徴
にんにくの強い香りの主成分は「アリシン」という有機イオウ化合物で、刻んだり潰したりすることで生成される
にんにくの栽培
にんにくは品種・気候などにより収穫時期が異なります。
にんにくの栽培カレンダーは以下の表の通りです。
温暖地と寒冷地で異なりますので、参考にしてください。
にんにくの栽培カレンダー
西日本向け(温暖地向け)
月 | 作業内容 | ポイント | 注意点 | 主な病害虫 |
---|---|---|---|---|
9月 | 種にんにくの準備・畑の土づくり | 良質な種を選ぶ(鱗片が大きく病気がない) | 高温多湿による腐敗に注意 | 根腐病、白絹病(初期) |
10月 | 植え付け(上旬〜中旬) | 深さ3〜5cm、株間15cm程度で植える | 遅れすぎると生育不良 | ネギアザミウマ、べと病 |
11月 | 発芽・初期成長 | 本葉2〜3枚で順調に育つ | 過湿は根腐れの原因 | アブラムシ、ネギコガ |
12月 | 越冬前の管理(追肥) | 緩効性肥料を株元に施す | 肥料やけ・水はけ悪化に注意 | 病害虫は少ないが注意継続 |
1月 | 越冬期(基本は管理のみ) | 防寒対策が重要(敷きワラなど) | 過湿・寒害に注意 | 特になし(天候管理) |
2月 | 追肥(春の成長促進) | チッソ分中心に施肥 | 施肥しすぎに注意 | べと病(初期)、アブラムシ |
3月 | 茎葉の伸長 | 雑草取りと風通し確保 | 密植で病気蔓延しやすい | サビ病、アブラムシ |
4月 | 球の肥大期・追肥 | リン酸・カリ中心に追肥 | 追肥のタイミングを逃さない | 白絹病、ネギハモグリバエ |
5月 | 収穫準備・葉が倒れ始める | 茎の7〜8割が倒れたら収穫適期 | 雨で収穫遅れると腐りやすい | 茎腐病、腐敗病 |
6月 | 収穫(上旬〜中旬) | 晴れた日に収穫し風通しの良い場所で乾燥 | 湿気厳禁、貯蔵前に乾燥徹底 | ネギコガ(貯蔵中注意) |
東日本向け(寒冷地)
月 | 作業内容 | ポイント | 注意点 | 主な病害虫 |
---|---|---|---|---|
9月 | 種にんにく準備・畑作り | 排水性のよい畑に有機質堆肥を施す | 早く植えると生育過剰で越冬に不利 | 根腐病、白絹病(初期) |
10月 | 植え付け(中旬〜下旬) | 寒冷地ではやや深め(5cm以上)に植える | 雨が多いと根腐れのリスク増 | ネギアザミウマ、べと病 |
11月 | 発芽確認・越冬準備 | 敷きワラ・マルチで防寒・乾燥防止 | 霜柱で株が浮かないよう注意 | アブラムシ(温暖な日) |
12月 | 越冬期 | 積雪地は防雪ネットや簡易ハウス利用 | 凍害・霜害に注意 | 特になし |
1月 | 越冬管理 | 降雪地域では雪で保温されやすい | 除雪時に芽先を傷つけないよう注意 | 特になし |
2月 | 土壌乾燥があれば軽く耕す | 根の活性化を促す | 株が凍らないよう気温管理 | サビ病(初期)、白絹病 |
3月 | 追肥開始・茎葉の成長 | 気温が上がったらチッソ肥料追加 | 霜が残る朝の作業に注意 | アブラムシ、サビ病 |
4月 | 葉の伸長と球の肥大開始 | 雑草とり・風通し確保 | 過湿による病害多発に注意 | ネギハモグリバエ、白絹病 |
5月 | 追肥・茎葉管理 | カリ成分を中心に最後の追肥 | 過肥に注意(腐敗原因) | 茎腐病、べと病 |
6月 | 収穫(中旬〜下旬) | 晴天続きのタイミングで収穫 | 貯蔵前に3〜5日陰干し乾燥 | ネギコガ、貯蔵中の腐敗菌 |
※収穫の時期は地域やその年の気候にもよりますが、植え付けからおおよそ7〜8ヶ月後がひとつの目安です。
収穫を見極めるサイン
にんにくの収穫時期を見極めることは、にんにく栽培の成功に欠かせません。
1株試し掘りして、見た目と感触のサインをしっかり確認することが重要です。
以下のサインを参考にして、最適な収穫時期を見極めましょう。
見た目
- 最も分かりやすいポイントは地上部の茎葉が3〜4枚ほど枯れてきたとき
- 3枚目の葉が枯れ始めたら、試し掘りしてにんにくの成長具合を観察する
- 下の葉が徐々に黄色くなる
- 茎が自然に倒れてくる
- 上部の葉が青々と残っていて、下の葉が黄色〜茶色に枯れてくる
- 葉の7~8割が黄色く枯れてくる
- しっかり分球している
- 球の皮がうっすらと乾き始めている
- 鱗片がしっかりと肥大し、球全体が丸く膨らんでいる
- にんにくの芽(トウ)が出始めてから1~2週間後も収穫適期の目安
- 芽が出て2週間ほど経過したタイミングで葉の状態と合わせて判断する
感触
- 茎の根元がしんなりと柔らかくなってくる
- 試し掘りして球がしっかり分球しているか確認
- しっかり分球していて、球の皮がうっすらと乾き始めてる

ちょっと早いくらいかな?と思うくらいのときに収穫する方がいいです。
収穫時の失敗例
- 収穫が早い→硬い、珠が小さい、保存性が悪く痛みやすくなる、味や香りが薄い

写真は早く収穫してしまったにんにくです。珠の部分が全く肥大しておらず、分球もしていませんでした…
- 収穫が遅い→珠が割れている、水分がなくなるため食味が落ちる、病害虫のリスクが高まる
収穫の注意点
- 葉が全部枯れるのを待つと、球が割れて傷み(腐敗)やすくなる
- 収穫後のにんにくは水洗いしない
- 晴れた日を選ぶ
- 根元を優しく持って真上に引き抜く
- 収穫後は風通しの良い場所でしっかり乾燥させる
- 梅雨の時期になると、腐りやすくなる
- 球を傷つけないようにする
にんにくの保存方法
- 土をきれいに払い落とす(水洗いはしない)
- 収穫後は根と葉を残して、数束ずつ束ねて風通しのいい日陰に吊るす
- 乾燥期間は10日〜2週間
- 完全に乾燥したら、根と葉をカットする
- ネットや紙袋に入れて冷暗所で保存する
- 常温保存する
※湿気が多いとカビやすいので、必ず乾燥させてから保存してください!
まとめ
にんにくの収穫は、
- 葉が3~4枚枯れる
- にんにくの芽がでて2週間後
- 試し掘りで球根の状態を確認
以上の3つのポイントをおさえることで、適切なタイミングで収穫することができます。
にんにくの収穫は、見た目のサインをしっかり観察すれば難しくありません。
収穫まであと少し、にんにくの収穫のポイントを見逃さずに、美味しいにんにくの収穫をしましょう。
収穫後は保存方法に注意することで、保存期間を長くすることができます。

おいしくて香り豊かなにんにくを楽しむために、ぜひこの記事を参考にしてくださいね!