にんにくの栽培方法
家庭菜園で何か育ててみたいけど、

何の野菜の栽培から始めたらいいかわからない…
そんな初心者の方に、ぜひ挑戦してほしい栽培の1つがにんにくです。
にんにくは料理の香りや味をぐっと引き立ててくれる万能野菜で、ご家庭の庭やプランターでも簡単に育てられることができます。
私は野菜作りを始めてから、現在まで下記の3カ所の貸し農園を借りてきています。
- 2020〜2022年 シェア畑
- 2022〜2024年 市民農園
- 2024年〜 マイファーム
わが家の畑でも、市民農園を借りて家庭菜園を始めた頃から毎年秋ににんにくを植え付け、春に収穫をしています。
長時間畑を占領しますが、比較的簡単に栽培でき家庭菜園に最適な作物です。
今回記事では、にんにくの栽培方法、栽培ポイントを詳しく解説しています。

この記事を参考に、にんにくの栽培に挑戦してみてくださいね!!
にんにく
項目 | 内容 |
---|---|
学名 | Allium sativum(アリウム・サティブム) |
科・属 | ユリ科(またはヒガンバナ科)ネギ属 |
原産地 | 中央アジア(キルギス地方) |
主産地(日本) | 青森県(国内生産の約7割を占める) |
主な品種 | 暖地系(平戸など) 寒地系(ホワイト六片など) |
食用部位 | 球根(鱗茎) 芽(花茎) 葉にんにく |
主な成分 | アリシン ビタミンB1・B6 カリウム 食物繊維 ミネラル類 |
特徴 | 強い香り 殺菌・抗菌作用 スタミナ増進 滋養強壮 |
効能 | 疲労回復 風邪予防 血圧安定 免疫力強化(実験レベル含む) |
保存方法 | 冷暗所で保存 冷蔵・冷凍も可 |
主な用途 | 香辛料として各国料理に使用 薬味や風味付け |
にんにくの栽培方法
栽培方法
にんにくは、涼しい気候を好むため、秋に植え付けて翌年の初夏に収穫するのが一般的です。
- 栽培期間:約8カ月〜9カ月
- 育てやすさ:比較的害虫の被害も少ない
栽培の準備
植え付け時期
9月下旬~11月上旬(寒冷地では早め・暖地は遅めに植え付けする)
植え付け場所
- 日当たりのよい場所
- 水はけのよい場所
栽培品種
にんにくには寒地向けと暖地向けの品種があり、栽培する地域に適した品種を選ぶことが重要です。
- 暖地型(早生):「平戸」や「嘉定」など
- 寒冷地型(晩生):「ホワイト六片」など
※初心者は栽培しやすい「ホワイト六片」から始めるのがおすすめです。
種球の準備
スーパーで買ったにんにくでも植えて育てることは可能ですが、確実に収穫したい場合は種苗店・園芸店・ホームセンターなどで「種球(たねにんにく)」を購入するのがおすすめです。
大きくてしっかりした種球を選ぶようにしましょう!!
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- スーパーのにんにくは食用向けのため、芽が出にくい加工や消毒がされていることがあり、発芽率が低かったり病気にかかる可能性がある
- 品種や産地が不明(その土地で育ちやすい品種か不明)なことがある
- 病原菌のリスクがある
土づくり
植え付けの2週間前までに行う
必要な道具
- シャベル
- ジョウロまたはホース
- マルチシート(雑草防止や保温に役立つ)
- 畑の場合は、堆肥・苦土石灰
- プランターの場合は、市販の野菜用培養土
土づくりの方法
- 土を耕す
- 堆肥や苦土石灰を混ぜて、やや弱アルカリ性(pH6.0~6.5)の土に整える
- 植え付け前に堆肥や腐葉土を混ぜ、元肥として緩効性肥料を加える
- 水はけが悪い場合は、畝を高くするか、砂やパーライトを混ぜる
- 雑草抑制のために、マルチシートを使用する
種球の植え付け
1.種球の準備
- にんにくの種球を一片ずつに分ける(外皮は剥かないようにする)
- 傷んでいないものを選ぶ
- 大きいものを選ぶ
2.植え付け
- 植え付け間隔: 10〜15cmほど間隔をあける
- 植え付けの深さ: 5〜7cmの深さに植え付ける
3.鱗片のとがった方を上にして土に植え付ける
4.土をかぶせる
5.水やりする
種球の植え付けポイント
- 1片ずつバラし、外皮はむかずにそのまま植える
- 大きいものを植え付けする
- 芽が出る向きを上にする
※わが家の畑では近年は外皮を剥いて植えていますが、初めてにんにく栽培に挑戦する方は外皮を剥くときに種球を傷つける可能性があるため、外皮を剥かずに植えるほうが成功しやすいです。
栽培中の管理
- 水やり
土が乾いたら、たっぷり水を与える
※過湿に注意する
- 追肥
追肥 12月と3月頃に、化成肥料または化成肥料を与える
※窒素過多にならないようにします。
雑草対策
- マルチシートで雑草を抑える
にんにくの芽の摘み取り
花芽(とう)がでてくると、花芽に栄養が集中しにんにくが大きくならないため、4〜5月頃茎の真ん中からでてきた花芽は、早めに摘み取る
※にんにくの花芽は、炒めてたべることができます。
栽培中の作業まとめ表
栽培中の作業まとめ表
月 | 作業内容 |
---|---|
9月下旬〜10月 | 種にんにくを分球して植え付け(深さ3〜5cm、株間10〜15cm) マルチシートで保温・乾燥防止する |
11月〜2月 | 越冬期 寒さに当てて生育を促す 基本は放置でOK 乾燥しすぎた場合のみ水やり |
3月 | 気温上昇とともに生育開始 追肥1回目(リン酸・カリ中心) 雑草取り |
4月 | 茎が伸びる 追肥2回目 花茎(にんにくの芽)が出たら摘み取る |
5月 | 球の肥大期 水分管理に注意(乾燥させすぎない) 病害虫のチェック |
6月 | 下葉が3〜4枚枯れたら収穫適期 梅雨前に掘り上げる 風通しのよい日陰で乾燥する |
7月〜 | 乾燥・保存(ネット吊り、風通し良く) 冷蔵・冷凍保存も可能 |
病害虫対策
にんにくは比較的病害虫に強い野菜ですが、以下のことには注意してください。
- さび病
症状:葉にオレンジ色の斑点が出る病気
対策:風通しを良くするのが予防法
- ネギアブラムシ
特徴:葉の汁を吸う害虫
対策:見つけたら早めに取り除く
収穫
収穫時期
- 5月下旬~6月頃
収穫サイン
- 葉が黄色く枯れてきた
- 葉が3分の2ほど枯れてきた
収穫方法
試し掘りして、球がしっかり膨らんでいるか確認してから収穫する
- 晴れた日に行う
- 根元をスコップで掘り起こす
- 葉の付け根を持って引き抜く
収穫後の保存方法
- 収穫したにんにくは、土を落とす
- 葉がついたまま風通しのよい日陰で1〜2週間乾燥させる
- 完全に乾いたら、葉と根を切り落とす
- ネットなどに入れて吊るしておく
※湿度が高い場所で保管するとカビが発生する
※皮を剥いて冷凍してもOK
にんにく栽培方法のまとめ表
畑で栽培する方法とプランターで栽培する方法をそれぞれまとめた表が以下のようになります。
畑でのにんにくの栽培方法のまとめ表
畑でのにんにくの栽培方法のまとめ表
栽培工程 | 時期(日本の目安) | 作業内容 | ポイント |
---|---|---|---|
土づくり | 9月上旬 | 堆肥・苦土石灰を施し、よく耕す | 水はけと日当たりの良い畑が適地 |
植え付け | 9月下旬〜10月 | 球根を外皮ごと1片ずつ分け、芽を上にして植える(深さ3〜5cm、株間10〜15cm) | 大きな鱗片を選ぶと収穫も大きくなる |
発芽・生育初期 | 10月〜11月 | 発芽後、軽く土寄せ | 雑草管理を徹底する |
冬越し | 12月〜2月 | 寒さに強いが霜よけに敷きわら | 寒冷地では防寒対策が必要 |
追肥 | 2月〜4月 | 化成肥料や有機肥料を数回施す | 葉の色が薄くなったら追肥のサイン |
茎立・とう摘み | 5月 | 花芽(にんにくの芽)を摘み取る | 栄養を球に集中させるため必須 |
収穫 | 6月〜7月 | 葉が3分の2ほど黄変したら掘り上げる | 掘った後は風通しのよい場所で乾燥 |
保存 | 7月以降 | 吊るして乾燥保存 | 湿気を避け、風通しを良くする |
プランターでのにんにくの栽培方法
プランターでのにんにくの栽培方法
栽培工程 | 時期(目安) | 作業内容 | ポイント |
---|---|---|---|
プランター準備 | 9月上旬 | 深さ30cm以上のプランターを用意し、野菜用培養土を入れる | 底に鉢底石を敷いて水はけを確保 |
植え付け | 9月下旬〜10月 | 鱗片を1片ずつ分け、芽を上にして5〜6cmの深さに植える(株間10cm、条間15cm) | 6号鉢なら2〜3片、65cmプランターなら6〜8片が目安 |
発芽・初期生育 | 10月〜11月 | 発芽後に軽く土寄せ | 葉が2〜3枚出たら元気に育っているサイン |
冬越し | 12月〜2月 | 屋外でそのまま栽培可能、霜が強い地域では不織布で保護 | 水やりは土が乾いたら軽く与える程度 |
追肥 | 2月〜4月 | 液体肥料を2週間に1回程度与える | 葉が黄ばみ始めたら肥料不足 |
芽の摘み取り | 5月 | 花芽(にんにくの芽)を根元から摘む | 食用にもでき、球を太らせる効果あり |
収穫 | 6月 | 葉の先端が黄色くなり、全体の2/3が枯れたら掘り上げ | プランターごとひっくり返して収穫すると楽 |
乾燥・保存 | 収穫後〜 | 葉付きのまま風通しのよい場所で2週間ほど乾燥 | 乾燥後はネットに入れて吊るすと長期保存可能 |
よくある質問

市販のにんにくを植えてもいいですか?

植えつけは可能ですが、種球を購入して植え付けするほうが安心です。傷や病気にかかっていない鱗片を植えます。

プランターでも育てることができますか?

深さ20cm以上のプランターで、間隔を10cm程度空けて植えつけ、日当たりが良く水はけがよければ栽培できます。

連作しても大丈夫ですか?

連作は避けるほうがいいので、2〜3年空けて栽培してください。

Q:にんにくから芽が出たらどうしたらいいですか?

にんにくの芽がでると、栄養が芽にいきます。にんにくの球の成長には栄養が必要なので、早めに摘み取ってください。

摘み取ったにんにくの芽は食べれますか?

摘み取った芽は、炒めたりすると美味しく食べられますよ。
まとめ
にんにくの栽培は、手間が少ないため家庭菜園初心者でも、失敗が少なく比較的簡単に栽培できる野菜です。
栽培期間が長めなので、畑で栽培する場合は長期間占領することになるので、栽培計画を立てて栽培すれば夏野菜の栽培もスムーズにできます。
国産のにんにくは香りがよく購入すると高いので、家庭菜園でにんにくの栽培に挑戦してみてくださいね。
この記事を参考に、にんにくの栽培に挑戦して、自家製のにんにくの収穫と新鮮なにんにくの香りを味わってください!!

自分で育てた新鮮なにんにくの味は、香りもよいいですよ!!
