オクラの葉を巻く害虫!ワタノメイガの正体と被害状況

オクラの葉に潜むワタノメイガ
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ワタノメイガとは?

オクラの栽培をされている方で、オクラの葉が丸まっているのを見かけた方がいらっしゃるのではないでしょうか?

栽培中にオクラの葉が巻かれているのを見つけたら、それは「ワタノメイガ」の仕業かもしれません。

オクラの葉が丸まる原因は何ですか?

ワタノメイガって、どんな害虫ですか?

ワタノメイガが、オクラに及ぼす被害にはどんなものがありますか?

ワタノメイガの対策はありますか?

という疑問やお悩みをお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか?

ワタノメイガは、オクラの葉っぱを丸めて中に潜み、葉を食害する害虫です!!

防御すれば、被害を抑制できます。

私は野菜作りを始めてから、現在まで下記の3カ所の貸し農園を借りてきています。

Tomの貸し農園の経緯
  • 2020〜2022年    シェア畑
  • 2022〜2024年    市民農園
  • 2024年〜      マイファーム

わが家の畑でも、オクラの栽培をしていますが、毎年「ワタノメイガ」の被害にあっています。

できるだけ被害を最小限にするために、定期的な観察や見つけた際に捕殺したり、週1回木酢液を希釈したものを葉面散布しています。

この記事は、家庭菜園でオクラの栽培を楽しむ方々に向けて、ワタノメイガの特徴や被害状況、対策について詳しく解説します。

ワタノメイガは、早期発見・対策を行うことで、被害を抑えることができます!!

ワタノメイガからオクラを守って、美味しいオクラの収穫を目指しましょう!!

ワタノメイガとは?

下記の表は、ワタノメイガの特徴をまとめたものです。

ワタノメイガ(綿野螟蛾)の特徴のまとめ表

項目内容
学名Notarcha derogata
分類チョウ目(鱗翅目)メイガ科
分布日本全国
アジアの熱帯・亜熱帯からオーストラリアまで広く分布
成虫の大きさ開張約25~30mm
体長約10mm
成虫の色・模様淡黄色~淡黄褐色地に茶褐色の複雑な筋模様
灰褐色の横線
外縁は黒褐色で縁取られる
幼虫の特徴若齢:乳白色~淡黄色
中齢:淡緑色、
終齢:やや赤みのある緑~淡緑色、頭部は黒褐色
幼虫の動きは非常に速い
食害部位葉(葉を巻いて内部から食害、筒状の巻葉を形成し内部に糞を溜める
主な寄主植物オクラ、ワタ、フヨウ、ムクゲ、タチアオイ、アオギリ、キリなど主にアオイ科
発生時期6~10月(特に8~9月に多発)
年2~3回発生
ビニールハウス内の栽培では発生は少ない
生活史・越冬態幼虫のまま越冬
春~秋に活動
1枚1個ずつ葉裏に卵を産みつける(見つけにくい)
被害葉が大きく巻かれ多発時は株全体の葉が丸坊主になることもある
葉を糸で巻いて筒状の巣を作り、その中で葉を食害する 一つの巻葉内に留まらず、成長とともに新しい巻葉を作りながら食害する
行動幼虫は刺激を受けると糸を吐いて地面へ落下する(動きが速い)
成虫の行動夜行性
光によく飛来

ワタノメイガの発見方法

オクラの葉が巻かれている場合、ワタノメイガが存在することが多いので、巻かれている葉の中を見ると発見できます。

※ワタノメイガの卵は直径1mm未満で非常に小さく、葉裏に1個ずつ産み付けられるため、発見が困難です。

※成虫は夜行性で昼間は見つけにくいです。

ワタノメイガの被害時期

  • 7月頃から発生する
  • 特に8~9月に多発する
  • 年間で3世代ほど入れ替わるため、短期間で被害が拡大する
  • 露地栽培で特に被害が目立ち、ハウス栽培では比較的少ない

ワタノメイガによる被害

幼虫が葉を巻いて食害することで光合成が妨げられ、植物の成長に悪影響を及ぼします。

被害のサイクル

幼虫は葉の裏や縁に卵を産み付ける

孵化して葉の裏で糸を張って身を隠す

幼虫は成長するにつれて葉をさらに巻き込み、糸でつづり筒状の住居を作る

葉を丸めて作った筒の中で葉を食べて成長する

幼虫は一つの巻葉にとどまらず、成長とともに新しい葉を巻いて移動する

被害がどんどん株全体に広がる

光合成能力が低下する

株が弱って、最悪の場合収量減少する

被害の特徴

葉を巻く
幼虫が葉の縁を糸でつづって筒状に丸める
発生が多発するとほとんどの葉が巻かれてしまい、植物の光合成能力が低下する

丸まっているオクラの葉
丸まったオクラの葉

上の写真のように、オクラの葉が丸まっているときは、ワタノメイガがいることが多いです!!

ワタノメイガは動きが速いので、葉っぱを開くと同時に素早くにげようとするので、見つけたらすぐに捕殺してくださいね…

葉の食害
筒状に巻かれた葉の中で、葉を食害する
被害が進むと葉には食害痕が残り、ひどい場合は穴が開いたり葉脈だけになる
葉が食害されることで、オクラは光合成能力が低下する

オクラの中に潜むワタノメイガ
ワタノメイガと食害されたオクラの葉

生育不良
新芽が食べられると、オクラの生長点にダメージを与える
葉が広範囲にわたって食害されるとオクラの生育が阻害され、収穫量が減少する
ひどい場合には株全体が弱ってしまう

被害を防ぐための予防と対策

被害を防ぐための予防と対策は以下のようなものがあります。

  • 定期的な観察
  • 物理的防除
  • アワノメイガがいる葉の除去
  • 防虫ネットの使用
  • 天敵の活用
  • 株の管理
  • 農薬    など

定期的な観察

毎日こまめに葉の裏や巻葉の中を観察する

巻かれた葉の中には、ワタノメイガがいる可能性が高いので注意深く観察する

物理的防除

ワタノメイガの幼虫は見つけ次第捕殺する

※ワタノメイガは逃げ出すことがあるので、慌てずゆっくり作業するようにしてください。

ワタノメイガがいる葉の除去

葉への食害による被害がひどい場合は、巻かれた葉を取り除く

※必要以上に葉を摘み取ってしまうと光合成ができなくなるので、慎重に作業を行う

防虫ネットの使用

成虫が卵を産み付けるのを防げる

※ネットをかける前に葉に害虫や卵がついていないか確認する

天敵の活用

ハチやクモ

株の管理

健康な株は病害虫に強いので、適切な水やり、施肥を行って株を健全に保つ

農薬の使用

現在ワタノメイガに対して直接登録された農薬はありませんが、以下の農薬が効果的

  • アファーム乳剤
  • BT剤(デルファイン顆粒水和剤、ゼンターリ顆粒水和剤など)
  • オルトラン水和剤
  • クロルフルアズロン乳剤
  • スミチオン乳剤   など

農薬を使う場合は巻葉の中には薬剤が届きにくいため、発生初期に散布する

※収穫期が近い場合は、使用できる農薬の種類や散布時期に注意が必要

わが家の畑のワタノメイガの対策

わが家の畑では、オクラの害虫対策として以下のことを実施しています。

  • 定期的な観察
  • 木酢液の散布(週1回)

木酢液は丸まっている葉に散布しても中にワタノメイガがいるため効果がないので、観察をした後にワタノメイガを捕殺してから葉面散布するようにしています。

ワタノメイガだけでなく猛暑対策もできるので、防虫ネットをするほうがいいのかもしれません。

7月末になって急激にワタノメイガが増加してきているので、防虫ネットをするか悩み中です。

まとめ

ワタノメイガは、オクラの栽培をしていると避けることができない害虫です。

ワタノメイガは「葉を巻いて中に潜んで、食害する」という習性を持っているため、オクラの葉が丸まっているのを発見した場合は、ワタノメイガの幼虫が潜んでいるサインかもしれません。

発見が遅れると被害が急速に広がり、生育不良になって収穫量が減ってしまいます。

被害を防ぐための予防と対策として、

  • 定期的な観察
  • 物理的防除
  • アワノメイガがいる葉の除去
  • 防虫ネットの使用
  • 天敵の活用
  • 株の管理
  • 農薬

などがあります。

この中から自分の栽培環境に合った方法を見つけ、効果的な対策を行いましょう。

早期発見・早期対策をおこなうことで被害を最小限に抑えることができるので、家庭菜園を楽しむためにも、ワタノメイガの正体とその被害状況を理解することが重要です。

ワタノメイガに負けずに、美味しいオクラをたくさん収穫できるようにするために大切なオクラを守り、美味しい収穫を目指しましょう。

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