大根の保存方法
せっかく育てた大根、美味しく食べきるには保存方法が重要です。
実は、大根は収穫して家に持ち帰るよりも、畑の土の中でそのまま保存するほうが長持ちしやすいことをご存じでしょうか?
冬の間、畑で大根を保存することで、必要な時に新鮮な状態で収穫できます。
私は野菜作りを始めてから、現在まで下記の3カ所の貸し農園を借りてきています。
- 2020〜2022年 シェア畑
- 2022〜2024年 市民農園
- 2024年〜 マイファーム
わが家の畑でも、毎年たくさんの大根を収穫しています。
使い切れない大根は、畑で保存しています。
この記事では、家庭菜園初心者でも簡単にできる 「畑で行う大根の土中保存」 の方法や、保存のポイント、注意点を分かりやすく解説します。
- 大根を土の中で保存するメリット
- 土の中での保存の方法
大根を土の中で保存するメリット
1. 乾燥を防げる
大根は収穫後に乾燥すると一気にスが入りやすくなります。土の中なら湿度が保たれ、みずみずしさをキープできます。
2. 低温でゆっくり熟成されて甘みアップ
冬の低温に当たることで大根のデンプンが糖に変わり、甘みが増す効果があります。
3. 長期保存が可能
適切に保存すれば、1〜3カ月以上鮮度を保てることもあります。
4.保存場所をとらない
収穫後の保存場所を確保する必要がなく、冷蔵庫のスペースを圧迫しません。
5.新鮮な大根を楽しめる
食べたい時に畑から掘り出せば、採れたての新鮮な大根を楽しめます。
6.低コストで保存できる
特別な道具も不要です。
7.手間がかからない
畑で採れた大根をそのまま利用できるため、手間がかかりません。
8.凍結防止
土の中で保存することで、冬の厳しい寒さから大根を守り、凍ってしまうのを防ぎます。
土の中で保存するのに向いている大根
- 病害虫の影響がないもの
- 傷のないもの
- 太くて硬い大根
土の中で保存するのが向かない大根
- 大根に傷やひびがある
- 病害虫被害がある
土の中の保存に適する条件
- 気温が10度以下
- 11月中旬から2月頃
土の中の保存に適さない条件
- 水はけの悪い畑(腐りやすい)
- 気温が高く、冬も暖かい地域
- 寒冷地域では土が深く凍結するため、この方法は適さない場合があり
土の中での保存の方法
必要物品
- ワラや落ち葉、もみ殻などの保温材料
- 土寄せ用のスコップや鍬
- 雨よけ用のビニールシートやマルチがあると便利
保存方法
ステップ1:葉を切り落とす
大根を収穫したら、まず葉を根元からしっかりと切り落とします。
ポイント:
- 葉を残しておくと、葉が呼吸や蒸散を続け、大根本体の水分や養分を吸い上げてしまいます。
- 長期保存のためには、葉の付け根から3〜5センチ程度を残して切り落とします。(完全に切り落とさないのは、切り口から雨水や雑菌が侵入するのを防ぐためです。)
ステップ2:畑に穴を掘る(深さ30〜40cm程度)
大根が入る深さの穴を、畑の少し高くなっている場所や、水はけの良い場所に掘ります。
ステップ3:大根を斜めに埋める
穴の中に大根を、斜めに寝かせるように並べていきます。
ポイント:
- 斜めにすることで、保存中に水分がたまりにくくなり、腐敗を防ぎやすくなります。
- 大根はまっすぐ立てると傷みにくいです。
- 大根同士が触れすぎないよう少し間隔をあけるようにします。
- 埋める深さは 上部が完全に隠れるくらいにします。
ステップ4:土を被せて保存完了
掘り出した土を大根の上に戻し、隙間がないようにしっかりと埋め戻します。雨などで土が流れて大根の頭が出てしまわないよう、少し盛り土をしておくと安心です。
ポイント:
- 大根の根元に土を寄せて、大根全体が土に埋まるようにします。
- 大根の頭部分(緑色になっている部分)がしっかりと土で覆われるようにする
- 土寄せによって、霜や寒風から大根を守ることができます。
保存場所の目印: どこに埋めたか忘れないように、目印の棒などを立てておくと便利です。
ステップ5:保温材で覆う
土寄せした上に、ワラや落ち葉、もみ殻などを10〜15センチの厚さで敷き詰めます。
ポイント:
- 保温材が断熱材の役割を果たし、地温の急激な低下を防ぎます。
- 保温材が風で飛ばされないよう、上から土を少しかけたり、ネットをかけたりして固定します。
ステップ5:雨よけ対策
保温材の上にビニールシートやマルチをかけて、雨水の侵入を防ぎます。
ポイント:
- 完全に密閉すると通気性が悪くなるため、両端は開けておくか、所々に空気穴を開けておくことが大切です。
この状態であれば、関東以南では2〜3カ月ほど保存が可能です。積雪地域でも、深く埋めてマルチを厚くすることで越冬できます。
大根を土の中での保存する際の注意点
- 健全な大根を選ぶ: 傷や病害虫の被害がない、健康な大根を保存する
- 水はけの良い場所を選ぶ: 埋め立てる場所が湿っていると、大根が腐りやすくなります。水はけの良い、日当たりの良い場所を選ぶ
- 掘り起こしは食べる分だけ: 一度掘り起こすと鮮度が落ちやすくなるため、必要になったらその都度掘り起こすようにする
- 氷点下が続く地域は、厚めに土やわらをかけて凍結防止する
- 暖かい地域では保存しすぎると腐敗のリスクが上がるため早めに使う
- 保存中も定期的に状態を確認し、傷んだ大根があれば早めに取り除く
- ネズミなどの害獣による食害にも注意する
土の中に保存した大根の取り出し方
- 土が凍っている朝は抜けにくいので、日中の暖かい時間に収穫する
- 保温材と土を丁寧に除ける
- 大根の葉の部分をしっかり持って引き抜く
- 凍っている場合は無理に引き抜かず、周りの土が少し解けるまで待つか、スコップで周囲を掘ってから収穫する
- 大根をひねりながらゆっくり引き抜くと折れにくい
保存期間の目安
適切に管理すれば、大根は土中で1〜3カ月程度保存できます。ただし、春になって気温が上がり始めると、大根がトウ立ち(花を咲かせる準備)を始めるため、2月末から3月初旬までには収穫を終えることをおすすめします。
土の中で保存しきれない場合の代替方法
- 家庭用冷蔵庫での立て保存する(新聞紙で包む)
- 砂や土を入れた発泡スチロール箱での保温保存する
- 干し大根に加工して長期保存する
わが家の畑の大根の保存
2025年の大根栽培は、家庭菜園を始めてきて今までで一番たくさんの栽培をしました。
どれも立派な大根だったので、今回は畑での保存に挑戦中です。
2025年12月13日
大根の葉を切り取り、畑にうめて保存しました。


必要なときに、掘り出して食べて行きます。
まとめ
大根の土中保存は、自然の力を活用した保存方法です。
特別な設備や費用をかけることなく、新鮮な大根を長期間楽しめます。
大根は、畑の土をそのまま「天然の冷蔵庫」として利用できる野菜です。
土の中に埋めるだけの簡単な方法で、甘み・みずみずしさ・鮮度を長期間キープできます。

この記事を参考に、大根を長期保存し、冬の間も美味しい大根を楽しんでくださいね。

