固定種とF1種

野菜づくりに興味があるなら、「固定種」や「F1種」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか？

というお悩みや疑問をお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか？

実は種には、固定種とF1種という種類があります。

固定種は自家採種ができるため、安いコストで野菜を作る事ができる種のことです。

一方F１種は種を採るのが難しいのですが、その成長の速さゆえに効率良く、大量に収穫できるという利点がある種のことです

それぞれ、特徴や違いがあるので紹介していきたいと思います。

私は野菜作りを始めてから、現在まで下記の3カ所の貸し農園を借りてきています。

そんな私も家庭菜園を始めるまで、種に固定種とF1種という種類あることを知りませんでした。　

現在は、それぞれの種子を特徴を理解したうえで、栽培方法によって自家採種とF1種を使い分けています。

これらの違いを知ることは野菜作りの第一歩になります。

今回の記事では、固定種とF1種について特徴と違いについて詳しく解説しています。

固定種

固定種とは

固定種とは育てている野菜を親から子へ、子から孫へ、代々同じ形質が受け継がれていく種のことで、『在来種』と呼ばれることもあります。

特徴

• 世代を重ねても形質が変わらず安定している
• 形状や味に多様性がある
• スーパーで見かけるF1種（交配種）に比べて、見た目や味が不ぞろいである
• 自家採種が可能なため、毎年種を購入する必要がないためコストが安くすむ
• 種を採種して翌年も同じような形質の植物を育てることができる
• その土地の環境に適応しているため、必要以上に肥料や農薬に頼らずに栽培できる
• 比較的強健

栽培時の注意点

• 発芽がそろわない

発芽や生育が均一でないことが多く収穫時期がずれる可能性があるため、計画的に栽培を行うことが重要

• 病害虫対策

病害虫に弱い場合があるため、早期発見と対策が重要

• 自家採種

採種のタイミングや方法に注意が必要
成熟した種を選んで、適切に保存する

• 土壌の管理

土壌の質に影響されやすいので連作障害を避けるために、同じ場所で同じ作物を続けて植えない

• 収穫のタイミング

収穫時期がずれることがあるため、収穫のタイミングを見極めることが必要

F1種

F1種とは

異なる親品種を交配して得られた第一世代の種で、「雑種第一代」や「ハイブリッド」といった名称でも知られています。

異なる親からの遺伝子を受け継ぐため異なる親の優れた特性があり、一般的なスーパーなどの店頭に並ぶ野菜の多くは、F1種によって作られています。

種袋には、下記の写真のように「トーホク交配」や「一代交配」、「◯◯交配」などと書かれているものがF1種を示しています。

特徴

• 成長が旺盛
• 病害に対する耐性が強い
• 形質が均一であるため、見た目や収穫時期がそろいやすい
• 大量生産に適している
• 商業的な栽培において主流になっている
• 親の特性が必ずしも引き継がれないため自家採種を行うことができず、毎年種を購入する必要がある

栽培時の注意点

• 病害虫対策

病害虫に対する耐性がある場合もありますが、病害虫が発生した場合一気に広がるリスクがある

• 自家採種ができない

育てた野菜から種を採取しても、次の世代には同じ特性を持った種が得られないため、毎年新たに種を購入する必要がある

• 土壌の管理

成虫が早いため肥料や水分の管理が不十分だと品質が低下することがある

• 収穫のタイミング

穫時期がそろいやすいのですが過熟や未熟を避けるために、適切なタイミングで収穫することが必要

固定種とF1種のちがい

固定種とF１種の比較表

特徴	固定種	F1種
定義	親から子へと形質が代々受け継がれる品種	異なる固定種を交配して作られた一代限りの雑種
自家採種	◯	✕
種の袋の記載	✕	種袋に◯◯交配と書かれている
生育特性	生育にばらつきがあり	生育がそろっている
収穫時期	収穫時期にばらつきあり	収穫時期が均一
味・形	味や形に多様性があり	均一の形状や食味を持つことが多い
収量	収量は安定しない場合があり	高い収量
環境適応性	地域の気候や風土に適応している	特定の条件に適応するよう改良されている
病害耐性	低い場合あり	病害耐性があるものが多い
用途	家庭菜園や小規模農業向け	大量生産や市場流通向け
コスト	種を採取できるためコスト削減可能	種子購入費用がかかる

まとめ｜固定種とF1種の違いがわかる！！

固定種は自家採種が可能で遺伝的に安定した特性を持つため、コストが安く多様な味わいを楽しむことができる種です。

一方でF1種は、商業的な生産において効率的で均一な品質の野菜を提供できますが、自家採種ができないため毎年新たに種を購入する必要があります。

このように、固定種とF1種は、それぞれ特有の特性を持ち合わせています。

家庭菜園でどんな野菜を育てたいか、どんな目的で野菜づくりをするかによって、どちらの種を選ぶべきかは変わってきます。