スナップエンドウの栽培方法
サヤごと食べられるほんのり甘くてシャキッとした食感の「スナップエンドウ」は、家庭菜園でも栽培しやすく初心者におすすめの野菜です。
病害虫にも強いので育てやすいのが特徴です。また、つる性の植物なので、支柱を立てて栽培することで、場所を有効活用できます。

スナップエンドウは、どうやって栽培したらいいですか?

プランターでも栽培できますか?
というお悩みや疑問をお持ちの方が、いらっしゃるのではないでしょうか?
私は野菜作りを始めてから、現在まで下記の3カ所の貸し農園を借りてきています。
- 2020〜2022年 シェア畑
- 2022〜2024年 市民農園
- 2024年〜 マイファーム
わが家の畑でも、市民農園を借りてからスナップエンドウの栽培を行っています。
スナップエンドウは秋まきと春まきがあり、両方とも種まきしたことがありますが、秋まきする方が収穫量が多いように感じました。
- スナップエンドウの栽培方法
- 栽培中の管理
- 収穫のタイミング
今回の記事では、スナップエンドウの栽培方法について解説をしています。

ぜひ、この記事を参考に、スナップエンドウの栽培に挑戦してくださいね。
スナップエンドウ
スナップエンドウは、暑さに弱く冷涼な気候を好みます。
スナップエンドウの基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
学名 | Pisum sativum ‘Macrocarpon Group’(ピスム・サティブム マクロカルポン・グループ) |
分類 | マメ科エンドウ属 一年草 |
別名 | スナックエンドウ |
原産地 | 中央アジアから中近東 |
品種 | ツルあり ツルなし |
生育適温 | 15~20℃(冷涼な気候を好む) |
種まき時期 | 秋まき(10~11月) 春まき(2〜3月) |
土壌 | 弱酸性~中性 酸性を嫌うので、苦土石灰でpH調整する |
連作障害 | 3~4年エンドウ類を作っていない畑を選ぶ |
株間 | 約15〜20cm |
種まき方法 | 2~3粒を穴まき、覆土1cm、 |
発芽 | 6~10日で発芽 |
追肥 | 秋まきの場合 1回目:種まきから1カ月後 2回目:開花のタイミング(3~4月頃) 3回目:2回目の1カ月後、または収穫最盛期 その後、収穫が終わるまで1ヶ月ごとに繰り返し追肥する 春まきの場合 1回目:開花後 2回目:収穫最盛期 3回目:2回目の1カ月後 その後、収穫終了まで1カ月ごとに追肥する ※窒素過多にならないように、肥料は控えめに施す ※液体肥料を薄めて使用するなら、2週間に1回薄めて与える |
支柱 | つるあり種は15~20cmで支柱を立てる(高さ1.5~2m) |
水はけ | 水はけ良い場所で栽培する 過湿は根腐れの原因になる |
防鳥・防虫・防寒 | 防鳥対策:種まき後は不織布をかける 防虫・防鳥対策:防虫ネットを使用する 防寒対策:株元にワラを敷く・寒冷紗ネットを使用する |
特徴 | さやが柔らかい 豆が大きく膨らんだ状態で収穫する |
スナップエンドウの栽培スケジュール
栽培スケジュール
作業 | 秋まき(10月〜11月まき) | 春まき(2月〜3月まき) | ポイント |
---|---|---|---|
種まき | 10月〜11月 | 2月〜3月 | 株間15〜20cm 直まき or ポット苗 |
発芽・初期生育 | 11月〜12月 | 3月 | 本葉2〜3枚で間引き 防寒(秋まき) 防鳥ネット(春まき) |
越冬 / 活着 | 1月〜2月(地上部は小さいまま) | ― | 秋まきは耐寒性あり 春まきは短期間で育つため越冬なし |
生育期 | 3月〜4月 | 4月〜5月 | 支柱・ネットを設置 追肥と土寄せする |
開花・結実 | 4月〜5月 | 5月〜6月 | 白い花 → さやが膨らむ 乾燥注意する |
収穫期 | 4月下旬〜6月 | 5月下旬〜6月下旬 | 若いさやから順次収穫する |
栽培終了 | 6月 | 6月下旬〜7月 | 栽培が終了する |

種まきが遅すぎると冬の寒さで発芽しにくくなるので、秋まきはあきらめて春まきするようにしましょう!!
スナップエンドウの栽培方法
プランターでも畑でも栽培することができます。
栽培に適した環境
- 日当たりの良い場所
- 水はけの良い場所
- 弱酸性〜中性の土壌
- 生育適温は、15〜20℃
- 連作障害が起きやすいため、3〜4年マメ科の野菜を植えていない場所で栽培する
土づくり
畑
- 植え付けの1〜2週間前に、堆肥と苦土石灰(1㎡あたり100g)を土に混ぜて、pHを6.0から7.0(弱酸性〜中性)にして調整する
- 幅60cm、高さ20cmの畝を作る
- マルチシートを敷く(種をまいた後に、マルチシートの代わりに、わらを敷いてもOK)
プランター
- 深さ30cm以上の深型プランターを使う
- 野菜用の培養土を使う
※窒素肥料が多すぎると、つるぼけ(つるばかりが伸びて実がつきにくくなる現象)を起こすことがあるので、窒素は控えめにする
スナップエンドウの種まき(直まき)
必要物品
- スナップエンドウの種
- プランター(深さ30cm、幅60cm以上のもの)または畑
- 野菜用の培養土
- 肥料
- 堆肥
- 必要時、苦土石灰
- 支柱(1.5〜2m)
- ネット(つるを這わせる用)
- 麻紐など
- ハサミ
- ジョウロ
- 不織布
- 必要時、防虫ネットまたは寒冷紗
- 必要時、冬越しするため、ペットボトルの上下を切り取ったもの(発芽したら被せて防寒する)
種まきの方法(直まき)
スナップエンドウは、直まきでも発芽しやすいので、今回は直まきする方法を紹介します。
筋まきの場合
- 土に深さ1〜2cmの溝を作り、種を5〜10cm間隔でまく
- 軽く土を鎮圧する
- たっぷり水やりする
- 不織布をする
点まきの場合
- 株間を20〜30cmほど空けてマルチシートに穴を開ける
- 深さ1〜2cmの穴を開け、種を2〜3粒まく
- たっぷり水やりする
- 不織布をする

種まきが終了したら、鳥に植え付けた種が食べないように、発芽するまでは種を植えた部分に不織布で被せておきましょう!!
栽培中の管理
スナップエンドウの栽培中に行う管理には、以下のようなものがあります。
- 間引き
- 支柱立て(ツルありの場合)
- ツルの管理(ツルありの場合)
- 防寒対策
- 追肥
- 水やり
- 雑草対策
- 病害虫対策
間引き
- 本葉が3枚ほどになったら間引きを行い、元気な株を1カ所あたり1本にする
- 株間は 15〜20cm にする
※間引きをする際は株を抜かずに、株元で切るようにすると根が傷みません。
支柱立て(ツルありの品種の場合)
ツルありの品種は、苗が15〜20cmになったら支柱を立てます。
必要物品
- 支柱:1.5〜2mくらいの支柱
- 支柱を打ち込むためのハンマー
- ネットなど
- 麻ひもなど
支柱を立てる方法
- 支柱を立てる
- ネットを張る
- ツルを誘引して麻ひもで固定する
ツルの管理(ツルありの品種の場合)
冬場は風が強くなることが多く、風で倒れてしまうため、しっかり誘引していくことが重要です。
つるは自然に巻き付いていきますが、絡まない場合は手で優しくネットに絡ませて麻ひもで誘引していきます。
- 支柱とネットを使って、ツルが伸び始めたら、麻ひもなどを使用しネットに絡ませる

茎が弱いため折れてしまうことがあるので、優しく誘引しましょう!
防寒対策
寒冷紗や不織布を使用して、保温する
肥料(追肥)
化成肥料と液体肥料を使用する場合は、施肥の回数が異なります。
化成肥料
- 化成肥料なら1平方メートルあたり約30g(軽くひとにぎり)
秋まきの場合
- 1回目:種まきから1カ月後
- 2回目:開花のタイミング(3~4月頃)
- 3回目:2回目の1カ月後、または収穫最盛期
- その後、収穫が終わるまで1カ月ごとに繰り返し追肥する
春まきの場合
- 1回目:開花後
- 2回目:収穫最盛期
- 3回目:2回目の1カ月後
- その後、収穫終了まで1カ月ごとに追肥する
液体肥料
- 液体肥料を2週間に1回、薄めて与える
※窒素過多になると葉ばかり育ちサヤができにくくなるため、バランスの取れた肥料を選ぶようにする
水やり
基本、土の表面が乾いたら与える
- 種まき後: 土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与える
- 冬越し中: 乾燥気味に管理し、水やりは控えめにする
- 春の生長期: 土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与える
※過湿に弱いので、特に冬場の水のやりすぎには注意する
※開花期やさやが膨らむ時期は、水切れに注意する
雑草対策
- こまめに雑草を抜く
- 畝を作るときにマルチシートを敷くか、株元にわらを敷く
病害虫対策
定期的に観察し、早期発見・早期対策を行うようにします。
病気
- うどんこ病: 白い粉をかけたような症状。風通しを良くする
害虫
- ハモグリバエ:テープで除去するか、木酢液などで予防する
- アブラムシ: 若い葉や芽につくので、テープで除去するか木酢液などで予防する
収穫のタイミング
- 春(3月〜5月)
- 開花後2〜3週間
- さやの長さが7〜8cm
- 豆がぷっくりする
- 豆にツヤがでる
収穫のポイント
- ハサミで優しく切り取る
- 毎日チェックして取り遅れないようにする
- 1株あたり20〜30くらいのさやの収穫可能なので、早めに収穫して次の実が付きやすくする
- 収穫したては甘みが強いので、すぐに調理する
よくある質問

なかなか発芽しないのですが、どんな原因が考えられますか?

種まきの時期が早すぎたり遅すぎたりすると、発芽率が下がります。

Q:葉っぱが黄色くなったのですが、何が原因ですか?

肥料不足や水やりのしすぎ、根腐れなどが考えられます。葉の色を見ながら、適宜追肥や水やりを調整してください。
わが家の畑
市民農園を借りて以降、毎年スナップエンドウを栽培してきました。
スナップエンドウの栽培を始めてから、春まき、秋まきの両方を行ってみましたが、秋まきの栽培のほうが収穫量が多いように感じました。
まとめ
スナップエンドウは家庭菜園初心者でも成功しやすい野菜です。
- 日当たりの良い場所で育てる
- 乾燥を防ぐ
- 支柱やネットでつるを誘引する
- 適期を逃さず収穫する
これらのポイントに気をつければ、おいしいスナップエンドウを収穫できます。
この記事を参考に、ぜひ、スナップエンドウの栽培に挑戦してみてくださいね。

家庭菜園で栽培した新鮮なスナップエンドウを楽しみましょう!
