太陽熱消毒
家庭菜園で野菜の栽培で病害虫が発生しやすいという悩みをお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか?
それはもしかしたら、土壌の環境が問題かもしれません…
近年の夏はかなりの猛暑になることが多いですよね…
そんな夏の太陽光の熱を利用して、土壌を消毒する「太陽熱消毒」という方法があります。
低コストで土壌の消毒ができることから近年注目されている方法で、家庭菜園でも簡単に取り入れることができます。
私は野菜作りを始めてから、現在まで下記の3カ所の貸し農園を借りてきています。
- 2020〜2022年 シェア畑
- 2022〜2024年 市民農園
- 2024年〜 マイファーム
わが家の畑でも夏に畝になにも植えないときや夏野菜が終わってからもまだ暑い日が続くときには、太陽熱消毒をして次の野菜の栽培に備えるようにしています。
太陽熱消毒をすることで、害虫・病原菌・雑草の種子を死滅させることができる方法です。
家庭菜園でも農薬を使用せず簡単に低コストで土壌の環境状態を改善することができ、品質が良く美味しい野菜を作ることができるので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
この記事では、太陽熱消毒の効果、具体的な方法、そして注意点までを徹底的に解説します。

太陽の力を活用して土壌の環境を整えて、美味しい野菜を作りましょう!
太陽熱消毒
太陽熱消毒とは?
夏の太陽光の熱を利用して透明なシートで土壌を覆って地温を上昇させることで、土壌の中の害虫・病原菌・雑草の種子を死滅させる方法です。
土壌の温度が50〜60℃以上に上昇することで病害虫の発生を抑制し、連作障害の軽減にも効果があります。
また農薬を使用しないので環境にも優しく、手軽にできる土壌の消毒方法です。
太陽熱消毒の効果
- 病原菌の死滅
- 害虫の死滅
- 雑草の種子を死滅
- 連作障害を抑制する
太陽熱消毒をおすすめできる方
- 農薬を使用したくない
- 自然農法を目指している
- 低コストで抑えたい
- 土壌の消毒をしたい
- 家庭菜園をしている
- 家庭菜園初心者
- 病害虫が多い
太陽熱消毒のメリット
- 夏の熱い太陽熱を利用してできる
- 透明シートを覆ったあとは、ほったらかしでできるので簡単に取り入れることができる
- 農薬を使用しないため、環境に優しい
- 病害虫を死滅させることができる
- 雑草の種子を死滅させることができる
- 低コストで土壌の環境改善ができる
- 高温により有機物が分解される
- 土壌の団粒構造を促進し、水はけや通気性が改善する
太陽熱消毒のデメリット
- 気温が上がらないと、土壌の消毒をすることができない
- 曇りの日や雨が続く日と効果がでない
- 冬季は気温が低いためできない
- 少し時間がかかる
- 土壌の深い部分までは消毒できない
- 有用な微生物が死滅してしまう
太陽熱消毒の注意点
- 晴天が続く日
- 透明のビニールシートを使用する
- 風で飛ばされないようにするため、重石・マルチおさえなどで固定したり、シートの上に支柱を寝かせて置いておく
- 積算温度の管理が必要(積算温度900℃以上)
- ビニールシートは隙間ができると効果が薄れるため、隙間を作らないようにする
- 太陽熱消毒後に耕す場合は浅めに耕し、未消毒の土壌を表面に出さないようにする
太陽熱消毒ができる条件
- 梅雨明け直後から9月上旬までが最適期
- 7〜8月の晴天が2週間以上続く日
- 晴天で最高気温30℃以上が続く日
- 地温が55〜60℃以上続く日
- 土壌に十分な水分がある
太陽熱消毒の方法
必要物品
- 透明のビニールシート
- 畝を作るために必要なスコップやくわなど
- 水
- マルチおさえ
- 必要時、米ぬかや元肥
太陽熱消毒の手順
- 太陽熱消毒をする畝の雑草やゴミを除く
- 太陽熱消毒をする前に土作りをする場合は、堆肥・石灰・米ぬかなどを入れてしっかり耕す
- 畝を作る
- 畝にたっぷり水を含ませる
- 透明ビニールシートで、隙間ができないように畝を覆う
- 透明ビニールシートをマルチおさえなどでしっかりと固定する
- 2〜4週間そのまま置いておく
- マルチを除去し乾燥させる
- できれば1週間くらいマルチシートをして置いておく
- 植え付けする
太陽熱消毒に関するよくある質問

太陽熱消毒に使うシートは透明シートと黒シートのどちらがいいですか?

透明のシートのほうが消毒効果が高いです。
シートの色 | 地温上昇効果 | 雑草抑制効果 | 太陽熱消毒適性 |
---|---|---|---|
透明 | ◎ | △ | ◎ |
黒 | ○ | ◎ | △ |
※黒シートは透明シートより地温が平均で約5℃低くなります。

DAISOにある透明シートは使えますか?

厚みや耐久性が農業用フィルムと比較すると劣る可能性がありますが、DAISOの透明マルチはポリエチレンシートなので使うことができます。
ポリエチレンのテーブルクロスも売っているので、そちらを使ってみるのもいいかしれません。

肥料はいつ入れたらいいですか?

以前は畝を立てる前(太陽熱消毒する前)に入れた方がいいと言われていましたが、最近では肥料の効果が薄れるので太陽熱消毒後にするほうがいいと言われています。ただ太陽熱消毒後に肥料を入れて深く耕すと、消毒の効果が薄れるので注意が必要です。

太陽熱消毒後、すぐに作物を植えても良いですか?

すぐ植え付けることも可能ですが、できれば数日〜1週間程度空けてから植え付けるほうがいいです。

消毒期間中に雨が降っても大丈夫ですか?

ある程度の雨であれば問題ありませんが、長雨が続く場合は効果が低下する可能性があります。
わが家の畑での太陽熱消毒
わが家の畑では元肥・石灰・米ぬかを太陽熱消毒をする前に入れるようにしています。
- 太陽熱消毒後に肥料などを入れると消毒された土壌を耕すので、深く耕してしまうと消毒効果が薄れる
- 米ぬかは発酵するため、野菜をすぐに植えると根がイたもので、畑に入れてからしばらく置いておきたい
以前太陽熱消毒をした際に太陽熱消毒をしている最中に、透明ビニールシートの中に草が生えていました…
太陽熱消毒に失敗した原因
- 密閉できていなかった
- 水分が多すぎた
- 影になる時間が多ったので日照時間が短く、地温が上がらなかった
- 太陽熱消毒をする期間が短った
わが家の畑の場合、以上のような原因で失敗してしまいました…
限られた場所でいろいろな種類の野菜を植えようとすると、太陽熱消毒ができる夏の気温が高い時期に空いている場所がないのですが、病害虫が多かった畝は思い切って栽培を休んで太陽熱消毒をして土壌の環境を整えていくほうがいいです。
2025年8月13日
夏の野菜のきゅうりを撤去。
きゅうりの根にネコブセンチュウがあったので、きゅうりの栽培跡地を太陽熱消毒しました。
まだ、他の野菜を植えるまで時間があるので、2〜4週間は太陽熱消毒したままにしておこうと思っています。

まとめ
太陽熱消毒は自然を活用して土壌を消毒することができる方法です。
低コストでほったらかしでできるので、初心者でも簡単に手軽にできます。
家庭菜園をして病害虫が多く出た方は、夏の野菜の栽培を休んで太陽熱消毒を行うことも必要です。
太陽熱消毒をするために実施方法を理解し適切に行うことで、農作物の成長を助けることができます。
この記事を参考に、太陽熱消毒を行って美味しい野菜を作っていきましょう!!

環境にも優しいので、ぜひ太陽熱消毒を試してくださいね。
