スイカが割れる原因と対策
夏野菜の1つとして、家庭菜園でスイカを植えている方も多いですよね〜
受粉が成功して実ができ、収穫を楽しみにしていたスイカが割れてしまった⋯そんな経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

栽培中のスイカが割れたのですが、なぜ割れるのですか?

スイカが割れないようにするための方法はありますか?
といった疑問やお悩みをお持ちの方がいらっしゃるのではないでしょうか?
スイカが割れる現象は、「裂果」や「割果」とよばれています。
私は野菜作りを始めてから、現在まで下記の3カ所の貸し農園を借りてきています。
Tomの貸し農園の経緯
- 2020〜2022年 シェア畑
- 2022〜2024年 市民農園
- 2024年〜 マイファーム
わが家の畑でも、毎年スイカの栽培をしています。
今回の記事では、スイカが割れる原因・栽培時に注意する点について解説しています。

この記事を参考に、裂果のない美味しいスイカ作りを目指していきましょう!!
スイカが割れる原因
- 急激な水分の変化
- 温度変化によるストレス
- 肥料や栄養バランスの偏り
- 病害虫
- 物理的ストレス
- 品種の特性
- 収穫時期 など
急激な水分変化
原因
土壌の水分量が急激に変化する
メカニズム
乾燥している土壌に、大雨や水やりなどで急激に水分量が増えることで、果実内部の水分が一気に増えて内圧が高まり、外皮が耐えきれずに割れる
対策
- 乾燥が続いた場合でも、一度に大量の水をやらず、少量ずつこまめに与える
- 収穫が近づく着果後30日頃からは、水やりを控える(収穫10日前くらい)
- 乾燥と過湿を繰り返さないように、土壌の水分を一定に保つ
- 畝を高くして排水性を良くする
- 敷きわらやマルチを活用して土の乾燥や泥はねを防ぐ
- 梅雨時期や多雨地域では、ビニールハウスやトンネル栽培で雨よけする
温度変化によるストレス
原因
- 日中と夜間の温度差が大きい時期
- 急な冷え込み
メカニズム
- 果実の膨張・収縮が繰り返され、皮が割れやすくなる
- 果実が肥大している時期に低温が続くと皮が固くなり、その後の高温で果肉だけが急成長して割れることもある
対策
- 黒マルチや透明マルチを使用して土壌温度を安定させ、昼夜の温度差を緩和する
- 猛暑時には遮光ネットで直射日光を和らげ、果実へのストレスを軽減する
肥料や栄養バランスの偏り
原因
肥料や栄養のバランスの偏り
メカニズム
- 土の栄養が実に偏って供給されると、果実が急激に大きくなりすぎて割れる
- 元肥のチッ素分が多すぎると、つるばかり伸びて実の肥大が不安定になり、割れやすくなることがある
- 授粉後25〜30日頃の急激に大きくなる時期に水分や肥料の管理が不適切だと、果皮が内部の成長に追いつかず割れる
対策
- 石灰やカルシウムを含む肥料を適量施し、果皮の強化を図る
- 窒素・リン・カリウムのバランスを考慮し、過剰な窒素肥料を避ける
- 果実が肥大し始める時期(鶏卵大になった頃)に、適切なタイミングで追肥を行う
病害虫
原因
病害虫による実が傷つく
メカニズム
- 病気や害虫によって果実に傷がつくと、そこから割れが進行する
- 炭疽病やうどんこ病が果皮を侵すと、組織が弱まり裂果しやすくなる
対策
- 葉や果実に異常がないか毎日チェックし、早期発見・早期対処する
- 有機農法では木酢液などを使用して、病害虫の防除を行う
- 病気の原因となる残渣を取り除く
- 地面に接している部分は病原菌が付着しやすいので注意する
- 玉直しをして、地面に接している部分の病気や害虫を防ぐ
物理的ストレス
原因
つるの上で果実が密集していると、互いに圧迫し合って割れることがある
対策
- 1本のつるに果実が多すぎる場合は、適度に間引き果実同士の圧迫を防ぐ
- 果実が地面に直接触れないよう、わらや発泡スチロールを敷く
- 果実を吊るすネットや支柱を使って、物理的ストレスを軽減する
品種
原因
皮が薄い品種は割れやすい
メカニズム
内部圧力に弱く割れやすい傾向がある
対策
- 皮が厚い品種(裂果しにくい品種)を選ぶ(例:紅しずく」や「紅まくら」など)
- 栽培環境(気候や土壌)に適した品種を選ぶ
収穫時期
原因
収穫時期が遅れると割れやすくなる
対策
適切なタイミングで収穫する
収穫のサイン
- 受粉から40日前後が収穫の目安
- 果実がついた部分の巻きひげが茶色く枯れている
- スイカをたたいたときの音で判断する
- 果実のお尻の部分の花が落ちてくぼみが大きくなる
- 果実の地面に接する部分がクリーム色に変化する
まとめ
スイカが割れる原因は、
- 急激な水分の変化
- 温度変化によるストレス
- 肥料や栄養バランスの偏り
- 病害虫
- 物理的ストレス
- 品種の特性
- 収穫時期
などがあります。
これらの対策には、
- 適切な水やり
- 温度
- 肥料管理
- 病害虫
- 品種選び
- 果実保護
- 適切な収穫時期
などがあり、対策を行うことでスイカが割れるリスクが減ります。
スイカの栽培は少し手間がかかりますが、収穫できたときの喜びはひとしおです。

この記事を参考に、美味しいスイカの収穫を目指しましょう!!
